ここまでのあらすじ with 四匹の愉快なペット達
白を基調とした四角いテーブルの上でいそいそと何かを用意するマオ含む四匹の姿があった。
白銀の首にホワイトボードが掛けられており、ペンを持ったマオが何やら書いている。
黒鉄は何もない所でも転んでしまうヴィオラを心配しながら見ている。
『こんな感じでいいかなー?』
『えぇんちゃうか?』
『問題ないと思うでござるが…』
『えーっと、「パパのここまでの活躍!」…大丈夫だと思いますの!』
『じゃあ、話を始めよー!』
『『『おー!』』』
ホワイトボードに書いた事が見えやすいように白銀が体を伸ばし、書いた文面が見えやすいように縁をテーブルに付けて立たせる。
どこから出したのか学者帽と眼鏡を掛けたマオが物差しを持ってホワイトボードの字を指し示す。
『じゃあ、一文ずつ皆で読みあげよー!』
『うむ!読者からは見えぬでござるからな!』
『黒兄様…メタ発言はダメですの…』
『ぐぬっ、申し訳ない』
『ぶはっ!開始早々怒られとるやんけ!』
『白!動くと読みづらいでしょー!石像みたいに固まっててー!』
『……すんまへん』
ゲラゲラと身を揺らしながら笑っている白銀をマオが怒るとしょんぼりしつつ、動かないように気を付け始める。
皆で深呼吸をすると改めて挨拶をし始める。
『皆ー!マオだよー!僕のこと、忘れてないよねー?』
『白銀や!いやこの短時間で忘れられとったらわてら立ち直れへんで…?』
『黒鉄でござる!いや…皆、運営陣の話で某達を忘れているやも?なんとなく、某達よりも食い付きが良いようでじぇらしーなるものを感じるでござる…』
『ヴィオラですのー!どちらかと言えば新参者のわたしの方が印象がないかもしませんの…。これから皆に覚えて貰えるように務めますの…』
自己紹介をしながら沈み始める四匹だったが、ハッとした様な顔をするマオの尻尾攻撃を頭に喰らい喝を入れられる。
それぞれ痛みに頭を抑えながら仕切り直しという感じでホワイトボードの内容を読み上げ始める。
『「パパのこれまでの活躍!」
という事で説明始めるよー!』
『ほな、次はわてな?
「現実の世界からVRMMO Arcaに接続した旦那はんはチュートリアルで梟と出会う」
なんや、わてらより先に梟とかと知り合っとるの妬けるなぁ』
『次は某でござる!
「そこで種族の選択をした際に、何やら、れあ種族を選択してから、すきるの説明を受け、てらべるたへと降り立つ」
ぐぬぬぬ、最後に説明する方が良かったでござる』
『次はわたしですのー!
「噴水広場にて、小さな子犬と戯れた後に飼い主である女性から店を教わることとなる」
子犬ってペロさんの事ですの?』
『そうだよー!
「その後、訓練所へと辿り着いたパパは教官であるヒゲゴリラに気に入られて酒場に連れていってもらう」』
『ちょっ…アカンて!ヒゲゴリラはやめぇて!
「そこで弟子となる事を約束し、調子に乗ったヒゲゴリラによりドワーフの火酒を振る舞われ初日から倒れる事となる」』
『姉上もしれっとやるんじゃないでござるよ!
「翌日、現実で昼食をとった後にすてーたすの
初ちぇっくを宿屋でするのであった」』
『ラルクさん、散々ですの…。
「その後、迷子になった子犬を見つけたとと様は秘密のお店を発見した事によるワールドアナウンスを獲得する」』
『これ、全部説明するの…大変だねー?』
『最初から詳しく話し過ぎちゃう?』
『さくっと要訳するでござるか』
『じゃあ、私やりますのー!
「とと様はアラクネにて計4つのタマゴと装備を3つ手に入れる事になり、ほかの店でも手伝いをして欲しいというクエストを受ける。
そして、道具屋のヨハネの為に一肌脱ぐことにより底知れぬ信頼を得る事となる。」
みたいな感じですの?』
『嘘やん。1番すっとぼけとる子にこないな才能があるなんて…!!』
『むー!!負けないもーん!
「パパは敵の生息地を調べる為に出向いた先で黒い何かに覆われた騎士と出会い装飾品を得た。
ヒゲゴリラの最終試験をパスした際に装飾品を見て様子のおかしくなった師に王都へ行くならとお使いクエストを引き受けることとなる」
どんなもんだ!』
『某も負けてられぬ!
「その他にも、鍛冶屋からの配達くえすと、種族くえすと、伝承くえすとなどを手に若は王都を目指すべく旅立つのであった。
前日に開放された名声機能がどう関わっていくのか…乞うご期待!」
でござる!』
饒舌に説明を語るマオに黒鉄、ヴィオラを見つめ、暫しポカンとしていた白銀は頭を振ってから言葉を紡ぐ。
『まぁ、色々と説明が省かれとるけどそんな感じや!わてらの活躍も楽しみにしとってくれな!』
『僕達の新しい兄弟の事もよろしくね!』
『それでは、これにてさらば!』
『旅も楽しみですの!』
「お前たち、何してるんだ?行くぞ?」
『今行くでござるよ、若!』
『とと様ー!抱っこして欲しいですの!』
『あ!ヴィオラずるいー!パパに抱っこしてもらうのは僕だもん!』
『そないに急いで転ばんようにせぇよ!特にヴィオラ!』
手や尾を振りながら彼らは大好きな主人の傍へと走っていく。
ホワイトボードを首に掛けていた白銀だけ、途中で段差に引っ掛かりド派手に転んでいたのは秘密である。
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