70-歓迎会と予定の確認
ライアはベッドに座ると胡座を掻き、真ん中にヴィオラとマオを座らせ、膝の上に黒鉄を乗せる。
お兄さんをしているマオを見ながらヴィオラのステータスを確認する。
【ペット名:ヴィオラ 性別:♀
種族:
進化:1/3
※幼体に進化すると使い魔に変化します
状態:頭にたんこぶ(治療済み)
パラメータ(戦闘ステータスなし)
HP:500 INT:50/100 AGI:12/100
APP:60/100 CH40/100 LUK:27/100
スキル:幻惑(危機的状況に陥ると自動発動)、結界(一日一回/約10時間継続)
カスタムスキル枠:無し】
「へぇ…ヴィオラは今はペットだが成長すると戦闘も出来るのか」
『そうなんですの?』
『パパー、僕も大きくなったら戦えるようになるー?』
「…マオはそれ以上は大きくならない、な。まぁ…直接戦わなくても前みたいに道具を投げて助けてくれたら嬉しいな」
『むー、もう大きくなれないのかー…。なら、サポート頑張るー!』
『小さな兄殿がぽじてぃぶで良かったでござるな、若…』
大きくならないという言葉に一瞬落ち込むものの片手を上げて意気込むマオの姿を見て安堵しつつ、黒鉄の言葉に頷きながらヴィオラを撫でる。
マオとはまた毛並みの良さが違い撫で心地がかなり良い。
ウチの子達は外に出したらモテモテだろうなと思うも、ある意味で既に数々の実績を持っている事を思い出し苦笑する。
「取り敢えず、一眠りして腹も減ってるだろうしご飯食べるか?」
『食べるー!パパの手作りー!』
『楽しみでござるな!』
『とと様のご飯楽しみですのー!』
『腹ぺこやー!はよ、食べさせてー!』
「しれっと混ざるな、白銀…。飯と聞くと起きるな」
『食い時は逃さへんで!』
自分も撫でろと寄ってくるマオの頭も撫でてやりつつ、窓から外を見ればすっかりと日も落ちているので食事にしようと提案すれば、しっかりと混ざって返事をする白銀に苦笑する。
インベントリから紙皿と6等分にしたトゥルバーガーを取り出せば、作りたての熱さを保った状態で皿に乗る。
自分で食べれそうな者が居ないので一匹ずつ刺してあるピックの部分を持つと大口を開けている白銀に先ずは食わせてやる。
『うまー!!!めっちゃ柔らかくてジューシーで!旦那はんはいい嫁になるやろなー!』
「そこは旦那じゃないのか…?」
『パパー、僕も食べたいー』
「はいはい。熱いから気を付けて食べろよ?」
味を確認するように咀嚼しながら良い嫁になるという白銀の発言に苦笑を浮かべる。
続いてマオに差し出すと少しづつ齧って食べる姿を眺め、何時ものお肉と違うと問われては後で説明すると言えば素直に頷くのを見て頭を撫でてやる。
ジーッと自分が貰える時を待つ黒鉄を見ては空いている手でピックを持つと口元に差し出す。
『む、うむ!野菜も新鮮でパンもふわふわ!挟まれている肉はシンプルな塩胡椒の味付けでござるがじゅーしーで美味しいでござる!』
グルメリポーター並の感想を述べながら嬉しそうに食べるのを見つつ、マオが食べ終わると重さを確かめるようにピックを掴んだかと思えばどこにそんな力があるのか簡単に持ち上げるのを見て目を見張る。
『これなら持てるみたいー!だからパパは弟と可愛い妹に食べさせてあげてー?食いしん坊には僕が食べさせるからー!』
『ちょっ!ちょい待ちっ!小さな兄さん!わてを見ながら差し出して!?あちっ!鼻に押し付けへんでぇぇ!』
ライアを見ながら尾を揺らして面倒を見れると胸を張るマオに礼を述べつつ、鼻にバーガーを押し付けられ苦情を訴える白銀に笑ってしまう。
マオのおかげで空いた手にまだ誰も口を付けていないピックが刺さったバーガーを手に持つとヴィオラの口元に差し出す。
匂いを嗅いでから熱そうなのが分かり息を吹きかけ少し冷ましてから口に入れれば尾を千切れんばかりに振って食べ始める。
『とと様のお料理美味しいですのー!』
『ふむ、妹の尾は小さな兄殿とはまた違った柔らかさがあるでござる…。気持ちいいでござるな』
『僕の尻尾より妹のがいいのー?』
『小さな兄殿は本気で叩き付ける故…痛く、て…ぇ………イマノハウソデゴザル』
『ちょっ、小さな兄はん!そこは顎!!絶対わざとやろ!』
インベントリから切り分けてある方のバーガーを皿に盛りつつ、それぞれ賑やかに食べ進める姿を見ながらまた風呂に入れる事を考える。
見事な食いっぷりで食べ終わる頃にはうとうととしている四匹を見て、自分用のトゥルバーガーを食べつつ明日の予定を伝えておく。
「王都に関するクエストが結構あるから明日は一日食材とかの買い出しと、アルマさんの所に行ってヴィオラの装備を買うぞ。それが終わったらラルクの所に行って紹介状を受け取ろう」
『分かったー!』
『これから旅先でも旦那はんの美味い飯を食って過ごせるんやったら不満はないで!』
『姉上…そんなに保存食は嫌なのでござるか…』
『基本的にジャーキーになってまうやん…味気ないし嫌や』
『皆さんの迷惑にならないように頑張りますの!』
「そうだ…。丁度二匹ずつペアが組めるから俺を除いて行動する時は、黒鉄とマオのペア。ヴィオラと白銀のペアで行動するように。同じ性別同士で組めば話も弾むだろ?」
自分の分のトゥルバーガーを食べ終えては、眠そうにしている四匹を纏めて抱えあげ洗面所へと向かう。
籠を用意してから先程と同じように一匹ずつマッサージ込みで風呂に入らせ体を綺麗にすると、タオルで体をしっかりと拭いてやり籠の傍に降ろすと自ら中へ入り寝る準備をする。
一番最後に回したヴィオラの入浴の際に毛が濡れた瞬間、実は細い体である事が判明し驚くも、しっかりとタオルドライをすれば出会った頃のフワフワの毛を持つ姿に戻り内心安堵する。
籠の中に全員入った事を確認してからベッドの方へと移動し棚の上に置くと、ベッドに転がりライアはログアウトするのだった。
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