64-ステータスチェック・前

現実で二時間程寝てから再度ログインしたライアは、起きていたマオ達に顔を覗き込むようにして見られていた。


『パパ、起きたー!』


『若が寝坊するとは珍しいでござるな?』


『旦那はんも寝坊助さんやなー!わての事言えへんで!』


『姉上は寝汚い所もあるのでわーすと一位でござるよ…』


『あん!?喧嘩売っとんか!』


何時もの調子で騒ぎ始める三匹を見つつ笑みを浮かべてそれぞれ頭を撫でてから身を起こすと我先にとライアの膝の上を狙って動き出す。

瞬発力に掛けてはマオが一番なのか颯爽と膝の上を陣取ると胸を張っている姿を白銀と黒鉄が恨めしそうにしている。


「やっぱり、お前たち大きくなってるな」


『そうなのでござる。起きたら成長していてびっくりなのでござるよ』


『僕は大きくなれて嬉しいのー!』


『見てや見てや!わてはちっこい手が生えたで!』


「色々変化してるようだな。取り敢えず一匹ずつ確認させてもらうぞ?」


ライアの言葉にそれぞれ返事をしてから大人しくなるとまずは膝の上に居るマオから優しく手に乗せ持ち上げる。

手のひらの上に真ん中位で両手で覆うとすっぽりと収まるサイズだったが今は手のひら全体を使わないとしっかりと支えられない大きさになっている。

特徴的な鬣の部分は少し毛量が抑えられたものの指先が埋まり全体的な毛の柔らかさは変わらぬままだ。


「ステータスも確認させてもらうな」


『はーい!』


【ペット名:マオ 性別:♂

種族:宝石獣

※これ以上は進化いたしません

状態:超元気ハツラツ

パラメータ(戦闘ステータスなし)

HP:500 INT:40/100 AGI:60/100 APP:100/100 CH50/100 LUK:99/100

スキル:物拾い、偵察、戦闘時に道具使用(ランダム)

カスタムスキル枠:無し】


初めてマオのステータスを見たが、容姿に関しては毎日ライアがしっかりと管理しているからか最高値である。

足の速さも結構あるので何かあった場合には逃げる事も問題ないのが分かる。

思った通りほぼ運がカンスト寸前という部分には最早驚く事もない。


「マオ、ありがとう。次は黒鉄、見ても構わないか?」


『問題ないでござる!』


マオに礼を述べてから膝の上に戻すと今度は黒鉄を手に乗せ身体を観察させてもらう。

後ろ足2本が発達しており少し柔らかかった体の表面が鱗のような手触りに変わり固くなっている。

背中にあった二つの突起が少し大きくなり盛り上がっているように見え触れてみれば擽ったそうにするので痛くはないらしい。

少し顔がよく恐竜図鑑などに乗っている何かに似てきているように見えるが名前まで分からずライアは今度調べようと思いながらステータスを表示する。


【使い魔名:黒鉄 性別:♂ lv.10

種族:???(情報を得ると閲覧可能)

状態:疲れ気味

戦闘パラメータ

HP:1000

MP:600 AP:200 ATK:125

DEF:50 INT:275 AGI:45

APP:50/100 CH:50/100

KRM:0 LUK:31

スキル:??魔法(炎、雷、治癒属性)、真実の眼(認識阻害を施された品や隠された場所や物などを見抜くことが出来る)

進化段階 2/6】


「黒鉄…どこか疲れてたりするか?」


『う、むぅ…朝から姉上と小さな兄殿の絡みを見ていたので…』


「あぁ、なるほど…。ありがとな、黒鉄…今日は俺が見てるから気楽にな?」


『承知!』


頭を優しく撫でてから肩の上に降ろすと最後となる白銀を見ると恥じらうように身をくねらせている。

何かあったのかと思い問い掛ければほんのり頬を赤く染め尾で顔を隠す。


『いやん、旦那はん!女子の全てを見ようやなんて!スケベェ!』


「…………じゃあ、白銀は見ないよ。悪かったな」


『ちょっ!嘘、嘘っ!冗談やて!見られて困るもんなんてあらへんからちゃんと見てぇな!』


『素直に見て大丈夫と言えばいいのに…手のかかる姉上でござる…』


『妹が一番面倒臭い性格してるよねー』


『おい!聞こえとんぞ、そこの二匹!後で覚えとれよ!』


伸ばしかけた手を引っ込めながら告げれば焦ったように引き止める白銀を持ち上げれば少し太ったのではないかと思うものの気を取り直して成長を確認する。

顔付きが少しばかり黒鉄と同様に恐竜の面持ちに似てきており頭部には二つの出っ張りが出来つつある。

頭から尾にかけて黄金色の鬣が生えつつあり、腹側には言っていたように小さな手が出来ている。


『これでもうちょい旦那はんにしがみつけるで!』


「爪で引っ掻かないように気を付けてくれよ?」


『……爪切り頼んでもえぇかなぁ?』


【使い魔名:白銀 性別:♀ lv.10

種族:???(情報を得ると閲覧可能)

状態:大分太り気味

戦闘パラメータ

HP:1500

MP:600 AP:200 ATK:50

DEF:200 INT:100 AGI:20

APP:50/100 CH:50/100

KRM:0 LUK:-31

スキル:??魔法(地、水、氷属性)、悪食(呪われた物などを食らう事が出来るが運が下がる/運は時間経過で回復する)

進化段階 2/6】


ざっとステータスを見たところどうやら黒鉄は攻撃面に強く、白銀は防御面に強いパラメータのようである。

所持しているスキルは違うようで黒鉄が呪面を見つけられたのは真実の眼というスキルが関係していそうだ。

白銀のスキルは悪食という名称で一見悪い物に見えるが能力としては有り難い効果があるものの、運がマイナスになるらしく時間経過で治るという記載はあるが知らぬ所で何か変な物を食べたのではないかと確認する。


「白銀、最近何か食ったか?」


『ん?そうやねぇ…寝とる旦那はんの足にくっつこうとした変な黒いのは食べたで?』


「え…?」


思わずホラーな返答を返されてしまったのであまり変なものは食べないようにと注意をするだけでライアは留めるのだった。

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