第一章 ~『謎解きと宝石の秘密』~
なぜ宝石が消えたのか。その謎を解き明かした
「失くした宝石は色が変わりますね?」
質問を受け、
「場所によって青くなったり、赤くなったりする不思議な宝石なの」
「正しくは光源による変化ですね。提灯から漏れ出る明かりだと赤く、月明かりだと青くなるのです」
「聞き馴染みがない話だね」
「色変化は一部の珍しい宝石だけが持つ特性ですから」
アレキサンドライト、サファイア、ガーネットなどで起こる現象であり、変化量は個体に応じて異なる。
色変化の強い個体は、人気が高く、高価である。そのため滅多に扱えない代物であり、
「色が変わる謎は解けたし、納得もできた。でもそれが宝石の行方とどう繋がるんだい?」
「
「ええ。そこの火鉢で」
「無駄よ。火鉢の周辺は私も探したもの」
「では中はどうです?」
「ん? どう見ても、炭が燃えているだけじゃない……」
「いえ、宝石が見つかりましたよ」
「私の宝石……でもどうして……」
「火鉢の灯りを強く浴びると、この宝石は黒に変化するようですね。だから大勢で探しても見つけられなかったのですよ」
朱色の宝石を探す意識では絶対に見つからない。
「次はなくさないようにしてくださいね」
「ええ、絶対になくさないわ」
「それと、あなたを侮辱したことを謝罪させて頂戴」
「
「
「私だけの力ではありませんよ。協力を促してくれた
その言葉は会場にいた皆の心を響かせた。
「
その様子を微笑ましく眺めていると、
「さすが僕の友人だね。こうも見事に問題を解決するとは」
「たまたまですよ」
「いいや、君の力は素晴らしいよ。それに人格もね」
「人格ですか?」
「君は
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