不登校児の親と薬 の巻③

◆◆漢方薬への興味◆◆


病欠をとってしばらく経つ。

復帰の目処は全く立っていなかった。


冷静に自分の状況を振り返る。1日に必ず7錠の薬を服薬している。

それでも眠れない。それでも過緊張。

頭痛が発生した日には服薬量は10錠を超えていた。

ジャンキーだなぁ…。漠然とそう思った。


親戚のおじちゃんが酒を飲みながら話していたことを思い出す。

「オラァ、なーんも薬飲んでませんからね!65(歳)だじぇ!!みーんなそれ聞いて、びっくりしますからね!!ハハハハハ!!」

陽気なおじちゃんだ。


その時は、「良いなぁ。私は四十を前に、薬漬けだよ。」と遠い世界の事として思っていた。


薬を飲んでも、全然体調が優れない日々が続いていた。そして、ついに一週間寝込んでしまった。

頭が痛くて痛くて立てなかった。頭痛薬が効かない。痛み止めのロキソニンを摂取限界量の3錠を既に飲み終わっている。片頭痛の特効薬スマトリプタンも、もうすぐ限界の4錠に到達する。最後の1錠が効かなかったら、死んでしまう。痛くて眠ることも出来ないんだ。


きっと、根本的に私はダメだ。

時間はかかるかもしれないけれど、体質を改善しなければ。

対処療法で逃げてきたけど、それが効かない。追い詰められた。崖っぷちだった。


死んでたまるかー!!!背水の陣で漢方外来の門を叩いた。

助けてください!!やれること全部やって、飲むもの約束守ってちゃんと飲んで、それでもダメなんです!!!!


漢方の先生は、まず私の舌を見た。

「すごく、ストレスが溜まっている舌をしています。」

第一声がそれだった。


続いて、触診。あばらの辺りを指で押された。激痛。

骨盤の辺りを指で押された。これまた激痛。吐きそうだ。

そして、指の腹で、胃の辺りをポンポン叩いて弾ませた。ぎゅるるる。お腹が鳴る。そして吐きそうだった。


漢方の先生の診断は、『気虚』というものだった。

身体の中のエネルギーが枯渇している。そして、すべての『気』を取り込む胃腸が、壊滅的に機能低下している。と。


「西洋薬は、効きますか?」

と言われて、「あんまり、効いている実感はないです。」と答えると、

「人間は全て胃腸から吸収します。栄養も、薬の効能も、気も。この胃腸では、何も吸収できませんよ。」

ほぅ~~と深く納得した。だからなのか、と。


漢方薬をいくつか処方されたが、

「量は、自分に合うように、飲む回数など調整してくださいね。」と言われた。

私は、激しく下したり、全く音沙汰の無い排泄を観察し、日々過ごしている。


漢方の先生が診療の最後に言った。

「よく、こんな状態で、今まで頑張ってきましたね。」

その一言で泣きそうになった。というか、会計まで必死で我慢して、車で泣いた。


帰宅後、夫にその話をすると、

「俺、あんまり漢方信じてないんだよね。へーさん(私の事)見れば、ストレス溜まってて、胃腸が弱ってるって、占い師も言うよ!いっつもゲッソリしてるもん!あははは☆」


こいつ、言ってくれる。と思いながらも、確かに。と鏡を見て納得する。しかし、背水の陣で飛び込んだ漢方だ。続けてみようじゃないか!!


◇ ◇ ◇ ◇

追記


漢方の影響で、日本海のような大シケと、無風の凪を繰り返す胃腸を受けて、YouTubeで腸活を見始めた。


食べるものが大変に大事だということを学ぶ。


そしてふと思い出す。薬を飲んでいないおじちゃん家の夕飯を。そこには、おばちゃんが作った品数の多い食事が並んでいた。





◆◆自分への教訓◆◆


◎ストレスを溜め過ぎず、勇気をもって休むこと。


◎体質改善、根本治療は、食べるものから。

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