うつしけずらん

釣ール

一晩で

 猿が歌い、人は舞う。

 ゴリラは黙り天然記念物は愚痴をこぼす。


 地方都市の閉鎖的さを嘲笑い、田舎の問題を都会で笑う。


 霊長類はなんなのだろう。

 この星から考えるのも傲慢ごうまんな気がしてならない。


 先のことなんて分からないといいながら、備えあれば憂いなし?

 馬鹿も休み休みにしてほしい。

 誰もあてにならない。


 だとしたらこの世で二足歩行でいる理由はなんなのだろう。

 森にも海にも陸にも居場所がないのなら、ここで暮らす意味はないのかもしれない。


 幻想に踊らされる暇もないから今日も一日最善を尽くす。

 どこかで歯車が狂うか、修正するか。


 それはもう遺伝子で決められているのかもしれない。

 そう考える度にこの世が嫌になり、全ての天敵として産まれたことを後悔し続ける。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

うつしけずらん 釣ール @pixixy1O

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ