隣の席の小ギャルに懐かれた俺は普通の生活が送りたい

まりんあくあ

第1話

「たのむ、付き合ってくれ!」


「……はい?」


 終礼が終わり、帰る用意をしていた俺は突然となりの小ギャルに告白された。何が起こったのかとぽかんと口を開けていると、


「ちょ、茉莉花。いきなり告ってんじゃねーよ」


 そう友人にバカ笑いされ、見る間に顔を真っ赤にした彼女は勢いよくブンブン首を降った。


「ばっ……違うっ! そうじゃねーし! そっちちじゃなくて、試験勉強に付き合って欲しいんだよっ!」


 ……なるほど。要件はわかった。ああびっくりした。けれどもなぜ俺にそれを頼むのかがわからない。恐る恐る聞いてみた。


「あの、何で俺? きみ友達多いでしょ。教えてもらったら?」


 すると彼女はきょとんとした顔で言った。


「あいつら? だめだめ。だって勉強になんねーし」

「桂木は? 頭いいだろ?」


 桂木は彼女がつるむ男子グループのリーダー格で、チャラい見た目だがクラスでトップクラスに頭がいい。けれども彼女は俯いてぼそりと言った。


「無理。あいつの説明が難しすぎてわかんねー」


 ……なるほど。


 目立つ彼女は授業中によく当てられる。ろくに答えられないので見かねて何度かこっそりカンニングさせてあげたことが、どうやらあだになったらしい。


 先日、授業後に突然こっちを向いて小さな声で、


「さっきはありがと」


 って言われた時はまさかお礼を言われるとは思っても見なかったので、つい焦って、


「何のこと?」


 と答えたが、そもそも彼女とは挨拶ぐらいしか話した記憶がない。

 

 さあ、どうする俺?


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隣の席の小ギャルに懐かれた俺は普通の生活が送りたい まりんあくあ @marine-aqure

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