第2話 (ラルクアンシエル)胸に空をつめて 1

 きっかけは、親が青春時代に好きだったから。実家に溢れていたこと。

何が?


 V系の音楽が。


 音楽にはさまざまなジャンルがある。ロック、ポップス、ジャズ、クラブ、ラップ、クラシック、ラテンなど。それはあげればキリがない。


 そんな中、V系とはどんなジャンルなのだろう。


 ここで、とある有名V系ミュージシャンのインタビューでの発言を大まかながら、言わせてもらう。


 V系は、音楽性でなく見かけでくくってるから差別用語だ。


 V系が差別用語かどうかの世間の言葉を、この場合は無視して大事なのは見かけでくくっていると言うこと。


 そう見かけ。メイクしていればV系みたいにメイクしているグループをv系と括ることが通例となっている。


 でもこの括りもいい加減である。


 だって、最近ではダンスボーカルグループでも、アーティスト写真を見てみれば、軽くアイラインとかメイクしている写真があるし、昔の洋楽もグラムロックとかメイクしている。


 さらに、若い時にメイクしていたけど、売れ出したらメイクが軽めになり、カジュアル系とか流行らなかったが、言われるようにどぎついメイクをしなくなる大物V系ミュージシャンも相当数いる。


 人によっては全くメイクをしなくなってる人もいる。


 でも、メイクしてようがV系でないミュージシャンはV系じゃないし、メイクしてなかろうがV系なミュージシャンはV系である。


 さらに、見た目で括っているので音楽性も千差万別。グループによってはロキノン系と全然違わない音楽性だったり、はたまたロックじゃないのに異論が全くないアイドルポップス系の曲調のグループまでいる。


 早い話、カオスである。


 そんなおもちゃ箱がひっくり返ってめちゃくちゃな感じの無節操で自由な感じ。


 それに、俺、藤原京は幼い頃から憧れた。


 そして、プライベートな時間、流石にどぎついメイクはしないが、先ほど言った売れてメイクが軽くなったカジュアル系みたいな格好と髪型のセットでたまに街に繰り出して、歩いていく。


 原宿とかじゃなきゃ、はっきり言って絵本のスイミーみたいに、人混みの中で浮く。


 でも、たまのプライベートの休日くらい、いいよね? そう思って、一人街に繰り出して浮きながらも、好きなファッションを謳歌している。


 え、なんでたまの休日くらいとか言ってるかって。


 それは早い話。


 高校では同じ趣味を共有できる親友の類が全くおらず、さらに男のメイクにいい顔をされず、ハブられるどころか、下手したらいじめの標的にされそうなので、隠れキリシタンみたいにV系好きを隠して、地味高校生として、普段は地味な学校生活を送っているからです(泣)。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る