第12話 リオに魔法とは何かを教え、トモカサの言葉に心が割れる。

――クリームside――



魔法には、回復魔法・攻撃魔法・補助魔法がある。

大きく分類訳するとこの三つな訳だが、回復魔法は聖なる魔法とされ、病気を治す事や毒を治す治療魔法だけではなく、中には蘇生魔法を使える者も存在すると言われている。

過去、蘇生魔法を使える魔法使いは管理、隔離され重宝されたが、どれも政治を行う上で使われていただけで、正直いい話は記録に残ってはいない。


反対に攻撃魔法は、紛争や戦争で多く使われ、争いが集結した後……呪術師、つまり攻撃魔法を使う者たちは大勢捕まり、公開処刑されたと言う記録が残っている。

その為、攻撃魔法を使える者は慎重に魔法を使わねばならず、使う場合は闇に隠れて使わねばならないと言うのが暗黙のルール。


補助魔法は、旅をしていたりモンスターと戦う際に使われる魔法で、攻撃、回復問わず様々な魔法が存在し、またその数も多種多様である。



「回復魔法は大体魔法を使う者は誰もが使える最低限の魔法ではあるんだ。 地上界、地底界、天上界、精霊界問わず使える魔法だな」

「ただ、地底界の者は回復系の魔法は苦手と言われてはいるね」

「そうだな、記録によれば~~……地底界の人間は回復系の魔法は苦手で、大きな回復魔法を使えないと言われてる」

「ほほう………」

「反対に、攻撃魔法には長けていて、その強さは他を凌ぐ強さとされている」

「ふんふん」

「天上界の奴らは回復魔法に長けていて、攻撃魔法は余り強いとはされていないが、回復が出来る分持久戦は得意と」

「後は、地上界の人間は補助魔法が得意だったりね。 無論回復も出来るし、攻撃魔法も使える人間も居るけど、補助魔法以外はどれも長けてないんだよね」

「だな」

「でも、全般的にパパパッと魔法を使えちゃう種族がいるんだ」

「え? マジで?」

「それが、精霊界の精霊族。魔法に関しては精霊族は他の種族とは違い殆ど使えけれど、ずば抜けてって訳でも無くってそこそこ強いんだって、でも精霊は魔法の属性で相性が良ければ強い魔法も出せるみたい。それをと錬金術を始めたのは精霊族からだと言われている」

「すげぇ………クリーム、お前凄いんだな」



そう尊敬の眼差しで見つめるリオに俺は溜息を吐くと、無表情のままリオの頭を手刀で叩いておいた。



「で、実際俺がどれだけの魔法を使えるかと言うのは、言わなくてもコレで分かるだろ?」

「まぁな~……トモカサはどうなんだ?」

「え? 僕??」



そう言うと、俺から視線を変えてトモカサを見つめるリオ。



「だってお前、多分人間って言ってたじゃないか」



そう問い掛けるリオに対し、トモカサは「うーん……」と口ごもんだ。

確かにトモカサも魔法は使えるが、その魔法は攻撃にも回復にも長けていて、人間としては特殊としか言いようがない。



「………僕、あんまり魔法使うの好きじゃないんだ」

「あ、そうなのか」

「うん、どっちかと言うと拳で語っちゃうタイプだし」



そう言うとトモカサな拳を見せてニッコリと微笑んだ。



「………行動が先に出ると」

「あっ でもちゃんと鞭も使うよ?」

「まぁ……俺の銃弾を鞭で叩き落す位だしな」

「って事で魔法の事はコレで終了!」

「待った!!」



そう俺が言って立ち上がろうとした瞬間、リオは俺のズボンを強く下に引っ張り、ズボンがスト――ンと脱げた。

思わずそのまま蹴りを入れてしまったが、これがトモカサだったら萌えていただろう。



「待ったって何を待っただ!!」

「悪い悪いっ てかクリームさぁ……もうちっとシッカリした服に変えた方がよくね?」

「だね、引っ張るくらいでズボンが落ちてたら大変だと思う」

「いいの!! ゆったりサイズが俺好きなの!! 締め付けるの嫌いなの!! で、何だリオ!!」



そう怒鳴りつけると、リオは真剣な表情で俺達を見つめてくる。



「………何だよ」

「魔法ってそれだけしか無いのか?」

「「は??」」



何を言い出すのかと、トモカサと二人で思わず声が出てしまったが、リオは真剣な表情で口にする。

「ほら、召喚獣みたいなさ」

「一応あるにはある……かな?」

「へぇ」

「使えるけど、クリームが本当に変な事をしようとしたら使うよ!」

「コラ!! やめてトモカサくんっ 俺の事嫌いなの!?」

「好きでもないし嫌いでもないよ?」



――――俺の中で何かが砕け散った気がした………。




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