中二病時代は黒歴史?

@Lionelu

第1話

 多くの方には程度の差はありますが、黒歴史というものがあるのではないでしょうか。もちろん、私自身にもそう呼べるものがあります。今回は供養のため、その黒歴史をご紹介させてください。


 私は中二病を発症していました。時期は文字通り中学生の頃。思春期になりやすいとされている病ですが、例にもれず私も患者の一員でした。現れた症状は、好きだった漫画やアニメに登場するキャラクターや言葉を真似してしまうこと。好きすぎて、もろに影響を受けてしまったのです。


 中学生の頃は、年相応に少年漫画にハマっていました。特に好きだったのが、死神が登場する漫画と錬金術師が出てくる漫画の二つ。どちらもキャラクターや世界観が魅力的で、真似したくなる雰囲気がありますよね。

 実際に傘などの細長いものを持っていた時には、「○解!」と心の中で叫んでいましたし、黒い斬撃を放つイメージをしていました。頭の中は完全に死神気分というところです。また、もし白い手袋があれば、それに錬成陣を描いて身に着けることもしていました。こちらは完全に錬金術師気分といったところでしょうか。

 ただ、憧れの人やキャラクターに成りきることは誰しもが通る道ですし、このくらいなら可愛いものですよね。そう、このくらいなら……ですが。


 当時の私は一人で完結する脳内の世界だけでは飽き足らず、作品が好きな想いの表現に他者も巻き込んでいました。具体的にやっていたのは、会話の中で作品に登場する名言を滑り込ませるように使っていたこと。白雪を使う死神の言葉や背が低い錬金術師の言葉がお気に入りで、よく言っていたと思います。加えて、自信満々にかっこつけた感じで言っていたので、今でも思い出して恥ずかしくなる時があります。幸いなことに指摘されたことはないのですが、気づかれていた上で大人の対応をされていたのなら恥ずかしくて死ねますね。


 しかし、このように恥ずかしい記憶の中二病時代ですが、この時期には良い思い出が一つだけあります。それはかなりモテたこと。本当に自分でもびっくりするぐらいにです。何回も告白されましたし、彼女もいました。どうしてモテていたのか真相は定かではないですが、自信に満ち溢れていたのが良かったのではと個人的に思っています。ナルシストであっても、自分を持っている人が魅力的に見えるのと同じ感じです。


 今回は私の中二病について書きましたが、改めて文章にするとやっぱり恥ずかしかったです。ただ、今は当たり前のように中二病は完治しているので、どこか懐かしさもあります。最終的には自慢話になった気もしましたが、これで私の恥ずべき黒歴史の供養といたします。


 最後に現在の私自身のスペックを書かせていただきます。


 年齢:成人はゆうに超えているぐらい

 称号:元中二病

 職業:フリーター

 恋人:なし(素人童貞)


 あれ、もしかして中二病時代って黒歴史じゃなくて全盛期……。

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