第84話 田舎王子と映画の撮影シーン2
お知らせ
雅、詩織、彩羽の主演する映画の内容を
君の事を決して忘れない、のタイトルで原作としてスピンオフ投稿しますので是非読んでみて下さい!
https://kakuyomu.jp/works/16818093082599821708
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ここからは詩織も合流しての撮影になる
「それじゃこの調子で行こう!シーン2テイク1・・・・アクション!!」
詩織:【はじめ、お疲れ最後のロングシュート凄かったね!】
雅:【ああ、ありがとう、紫苑】俺は詩織から手渡されたタオルで顔を拭う・・・なんだこれ詩織の好きな香水の匂いがする・・・
詩織:【ねぇ試合終わったら今日はもう練習無いよね・・久しぶりに二人で行きたい所があるんだけど】
藪:【なぁぁぁ!紫苑ちゃん!俺のシュート見てくれたぁ~?】
詩織:【あ、ああ、高田君も2本とも凄かったね、ナイスシュート!】
藪:【おお!ありがと!!!じゃさ、頑張ったお礼の今日俺とデートしてよ!!ねぇいいだろ?】そう言うと藪は気安く詩織の肩を抱こうとするが
詩織:【あ、そういうの良いんでぇ~】するっと藪の腕から逃げ俺の方へすり寄る詩織は顔は笑っていたが嫌がっているのは直ぐに分かった
雅:【ざぁんねんでしたぁ~紫苑は今日俺とデートする約束だからよぉ~】
藪:【はぁ?てぇめぇ~ふざけるなよ?】(へんだな?ここは主人公を揶揄うような印象だったけど・・・しかしカットの声は掛からない・・)
彩羽:「へぇ~義兄ちゃん・・紫苑さんとデートとか聞いてないんだけどぉ?】
そういや映画では彩羽もここで登場する予定になったんだった・・・
藪:「よ、葉子!・・そうだ・・葉子も、もっと言ってやってくれ!こんなナンパな義兄嫌だって!嫌いだってぇ!」
彩羽:(・・・・・・・・・・・・)
吹雪:【お前等、ハーフタイムは有限だ体を休ませるのも選手の役目だぞ・・・葉子君もその辺にしてくれ】
「はい!かぁぁぁと!、映像確認します!」
「監督チェックの間に別どりします!シーン2のシュートシーンです、一堂君と藪君だけお願いします、他の方は単で取りますのでぇ」
案内されたグラウンドでの撮影になる・・・
藪:【勿論俺が決める!!】
雅:【いや・・・俺がいこう・・・】
藪:【なっ!てめえぇはじめ!俺が捥ぎ取ったファールだぞ!!俺が蹴るにきまってる!!】
雅:【お前その足でまともに蹴れるのか?】そう言うと足元を指さす足のアップは後日別撮りだ
藪:【はぁ?こんなの何でもあるかよ!良いから俺に蹴らせろ!】藪が俺の胸元を掴み上げるが・・・本気で力を込めて締めあげてくる
雅:【翔、舐められて悔しいのはお前だけじゃない!俺もはじめもここに居る全員だ!このフリーは俺らの意地だ、万全なら間違えなくお前に託すさ、だが今自分に言い訳が出来る状態のお前に本当に託していいのか】
藪:【ちっ・・・はじめ・・決めろよ・・・】そう俺の肩を軽く叩くと「撮影の間にお前の大事な物、全部奪ってやるよぉ」マイクに拾われない様に耳元で囁く様に告げ画面からフェードアウトする藪君・・・
監督の元に戻ると未だ助監督と詩織、彩羽まじえて何やら口論していたが俺が戻って来たのを見て亀山監督は諦めた様に溜息をついて「分かったわよ!OKテイクにする!二人に絶対無理とかいわれちゃしかたないか・・・」
「雅君、取り合えずシーン2はOKになったから、今度は応接に家のリビングのセットを作ってるから着替えて彩羽ちゃんとキスシーンね」
(・・・・・ん?キスシーン?・・・あ、確かに家のリビングで告白と同時にキスするシーンがあったな)
ちらっと彩羽を見るが平然とマネージャーと最終確認をしている様だ・・・・しかし・・・
(さっきから藪さんの目が・・・)藪の彩羽を見る目が少し気になるが、今どうにか出来る話ではないので気にせず撮影場に移動した
●廊下の曲がり角にて
「彩羽、私、茜さんに連絡するから先に行っててね」電話をしながら急いで階段を下りてくマネージャー
「はぁ子供じゃないんだから・・・て・・はぁ~」
物陰から姿を現したのは藪だった、
「やぁ彩羽、一緒の仕事は久々だね、君と仕事出来るの俺は楽しみしてたよ」
そう言うと慣れ慣れしく彩羽の肩に手を伸ばすが【パシッ】彩羽はその手を払いのけ腕組みして藪を睨み付ける
「で?何の用なの?私これから撮影で急いでるんだけど?」不機嫌な感情を隠すことなく冷たく言い放つが藪はそんな事はお構いなし
寧ろ、彩羽が撮影を嫌がってると勘違いしてる様だ
「あんな顔だけのコネで主役になった様な奴嫌に決まってるよな・・」
藪の良い方に彩羽のコメカミがピクピクと動く
「ちっっ!俺が主役に選ばれてれば・・」
「あのさぁ、先に行っとくけど雅は私の婚約者だから悪く言うのはやめてくれない?不愉快よ」
そんな彩羽の言い分も聞き流している藪は
「わぁ――てるって、家が勝手に決めた許嫁とか今何時代だよって事だろ?」
「はぁ?何勘違いしてんの?あたしは「ああ、俺が何とかしてやるよ、あいつを引きずり降ろしてお前を救ってやる、それで晴れてお前は俺のモノだ」はぁ?馬鹿じゃないの?」
背中越しに彩羽に手を振り奥に作られてる自分の控え室に消えていった
「はぁ~ほんとしつこい・・雅に余計な事しなきゃいいけど・・」
嫌な予感に奥歯に苦い味がして顔をしかめる彩羽・・・彼女の予感はこのあと現実になる
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