第81話 田舎王子と映画の撮影
お知らせ
雅、詩織、彩羽の主演する映画の内容を
君の事を決して忘れない、のタイトルで原作としてスピンオフ投稿しますので是非読んでみて下さい!
https://kakuyomu.jp/works/16818093082599821708
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翌日の土曜日、俺は詩織と彩羽に誘われて近くのオシャレなカフェで朝食をとっていた
「ねぇ彩羽さんそのガレットすこし貰っていい?私のフレンチトーストと少し交換しよw」
そういうと自分のフレンチトーストを器用に半分に切分け取り皿によそうと、彩羽の前に置く、彩羽もガレットを対角に半分切ると同じように取り皿に乗せて詩織に手渡す
「あら、詩織このフレンチトーストもイケるじゃない!!」
フレンチトーストを一切れ口に運んだ彩羽は頬を押えて至福の笑顔だ・・・・(なんか良いな・・こういうの・・)
俺はコーヒーを一口飲むと
「なぁこれから向かう撮影場所って学校だよね?俺達の学校かな?」
俺が尋ねると詩織がスマホを鞄から取り出確認してくれた
「え――――と・・ああ、違うみたい近くの私立高校で・・・【九蛇(くだ)工業高校】だ!」
「へぇぇ有名な高校なの?彩羽は知ってる?」
俺が彩羽に話を振るとガレットの最後の一切れを口に運んでフォークを口にした状態で軽く首を傾げた、代わりに詩織が答える
「そうねぇ――あんま良い噂は聞かないけどねw言い方選ばないなら少しガラの悪い人が多いって所かなw」
なるほど・・・あんま長居したくない所だなぁ・・・
「まぁ各種競技の大会も近いしね、この時期で学校の教室だけでなくグラウンドも撮影に貸してくれる所なんてそんな無いでしょうね」
言い換えれば、部活に力を入れて無いって事か・・・工業高校にしては珍しいな
「それで?今日の撮影には他の役者の人も来るんだっけ?」
すると彩羽は若干不満そうな顔をして頷く
「はぁ~今回の役者の中にしつこく言い寄って来る奴がいるのよね・・・気が滅入るわ」
俺は詩織と顔を見合わせお互いに苦笑した、俺達の様子に気付かないのか腕の時計を確認する彩羽が
「あ、そろそろじゃない?」そう言うとカフェの前に大きな黒いワゴン車が停車する、後ろのスライドドアが開くと中からサングラスをかけた茜さんがビシッと決まったスーツ姿で現れる
道行く人も茜さんの姿に二度見三度見していた、茜さんが俺達の事に気づきサングラスを外して大きく手を振ると店内の客も茜さんに釘付けになっていた
「はぁあの人こそ女優したらいいのに・・・まったく・・雅には美人を引き寄せる磁力でもあるのかな?」
そんな彩羽の冗談なのか本気なのか分からないボヤキに苦笑する俺と詩織
「まぁそれは仕方ないねぇみーくんは、そういう星の元に生まれたと思う事にしようw」
俺達は急ぎ会計を済ませると、茜さん元に行く
「はぁ~い!おはよ―――!みんな昨日はよく寝れた?」
俺は彩羽を横目で見ると、俺の視線に気づいたのか顔を背けて下手な口笛を吹いてる・・・・
「あぁ~・・ははは、まぁ今日は初日だしね!顔見みせがメインだし気楽に行こう!!」
そう言うと俺達をワゴンに乗るように促し最後に自分も乗ると、目的地に向かってワゴンが走り出した
【私立 九蛇工業高等学校】
校章なのか数匹の蛇が球に嚙みついてる意匠だ・・・すこしデザインがグロテスク過ぎないか・・・
しかし、普通サイズの校章はそれほどデザインが目立つことも無く普通は気にならないのだろう
校門を抜け中央の玄関前で車が停まると俺達はワゴンから降りる
「!?」
「どうかしたの?雅?」
何か首筋に冷たい刃物が触れた様な感覚がしてジワリと冷や汗が流れる・・・周囲に気配を巡らすが何も感じない・・
「気のせいか・・・いや、何でもないよ彩羽・・茜さんはもう行ってる様だ、俺達も急ごう」
俺の様子に首を傾げながらも、俺の後に続いて中に入る
●???の一室にて
『へぇ・・・あれが一堂の・・大した事は無いな・・・』
『まぁ七星の暴星も近くに居ないしな・・・』
『だが今日には暴星の孫娘が来るってはなしだよ?』
『はっお色気馬鹿がイキがってるだけだろ!私が軽く始末してやるよぉ!』
『お前等・・・いい加減にしろ・・・今は未だ動く時ではない・・主の指示を待て』
『ちっ・・ところで・・・奴は良いのか?一堂のボンボンや6家に近づくのは・・・』
『出過ぎた事を言うな・・・全て主の指示だ・・・・』
『けっ・・・なんであんな軟弱な奴に・・主も何処みて【バギィィ】・・・』
『主への不敬な言動は許さん・・・次は壁では無くお前の頭が砕け散ると思っておけ』
『はっ・・・はは、冗談だって・・悪かったよ・・』
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