第61話 田舎王子 二人をナンパから守る

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俺は、気を練り不埒な男2人に威圧をかけようとする


「!?、まってくれ、アタイらは大丈夫だから!」

「雅さんあきません!」


男達の前から一瞬で俺の横に移動し左右から優しく抱きしめてる二人


「!?空に静流!、あ、俺また・・御免・・二人に何かあったらと思うと感情が・・ほんとに御免・・」

「うん、判ってる、旦那さんがアタイらを大事に思ってくれてる事は」

「えぇ、ほんまに雅さんは、うち等に過保護すぎますぅでも、そこが好きな所ですけどもぉ」


空と静流の美女二人に優しく宥められてる俺の姿に流石に苛立ちを隠せない男二人が

「はっ、なんだよヒョロ坊、自分が守るとか言っといて逆に守られてたら世話ないわなw」

「お前いい加減目障りだからよ!どっか消えろや!」


俺への暴言に二人が汚物を見る目で

「は?アンタら、自分の立場わかってないな、アタイらはアンタらを守ってやったんだ」

「そうや、雅さんが本気になったらアンタら只ですみませんよって」


ナンパしていた二人に弱い者認定された男達は顔を真っ赤にして怒った

「ああ?そのヒョロイ奴が本気になったら俺らが負けるって!?んじゃ是非やってもらうおうじゃないか?!」

「へぇ兄さんそんな強いんだ~、だったらっ!」

そういうと、男の一人が俺に向かって殴り掛かってきた


【パシッ】


しかしその拳は静流の手によって受け止められた


「は?なんだこのハエが止まりそうなパンチは?舐めてんのか?」


【ガシッ】

今度は静流に受け止められた男の腕を空が扇子で叩き落とす

「いだっ!なんだ、てめーら!」男は叩き落とされた腕をさすりながら後退し仲間の男の元に戻る


「あんさんら、誰に向かって手を挙げたか分かってはるの?・・・死にたいんでっか?」


「おまえらーーー!女も関係ねぇ!後でその体で嫌と言うほど分からせてやるよ!」

男達の自尊心が傷つけられて、我を忘れて二人掛で今度は空と静流を襲おうとする



【ドゴッ】【ガシッ】


静流の正拳は一人の男の鳩尾に決まり、空の扇子がもう一人の男の延髄に決まる


「「うぅぅくっ、お前ら・・覚えてろ・・」」


俺は蹲ってる男達の前にゆっくり歩みよる、心配して止めようとする二人を笑顔で静止し、屈んで男達を見る


「ねぇ俺と喧嘩したいの?いいよ?」

俺は屈んだ状態で左の正拳突きを男達の間の床めがけて放つ


【ビシッ】


俺の拳は床のコンクリにめり込みクモの巣状に亀裂を入れその亀裂は男達の足元の床をぐらつかせた


「「ヒッッ!」」


「さっきのお兄さん達から仕掛けてきた所、あそこの防犯カメラで撮ってあるみたいだし、これから起こる事は過剰にはなるけど正当防衛だよね」

そう言ってコンクリから拳を引き抜き、今度は一人の男に向ける


「あ、あ、いえ、本当に申し訳ございません、二度とこのような事はしません」

「お、おれは、何も悪くありせん!最初に彼女らに声を掛けようって言ったのはコイツです!殴るならコイツを!」

「て、てめぇ!ふざけるな!最初に殴り掛かったのはお前だろ!お前こそ殴られろ!」


目の前でいがみ合いを始める二人に、立ち上がり溜息をつく


「「ひぃぃ」」目の前で抱き合う二人の目からは涙と、床には失禁したような水たまりが出来ていた


「ねぇ、お兄さん達、彼女達は俺の大事な許嫁なの、金輪際彼女らに近づかないでくれるかな?」


「「は、はい!勿論です!彼女達にもこの場所にも金輪際近づきません!」」

そういうと、股間のずぶぬれなまま駅の奥に消えていった。


「ふぅーーー」と息を吐き、苦笑いしながら二人の方へ戻ると、二人は再び俺の腕に抱き着き

「な、なぁ、さっきのもう一回言ってくれよ!旦那さん!俺の・・のやつ!」

「はぁん、雅さんうち等の為に、あないな演技までしてもろぉてぇ」


「えぇぇ、演技だったのかぁ・・・じゃ、じゃ、俺の大事な許嫁って言うのも・・・」

落ち込み肩を落とす静流に

「い、いや、二人とも僕の大事な許嫁って思ってるのは本当だよ!」

そう二人に言うと、頬を赤く染めて驚いていた


「ほ、本当か!、あ、アタイすごく嬉しいぞ!」

「ほ、ほんまにぃ雅さん、そないな事大勢の前でぇ言うたらぁ」



空の言葉にハッとして回りを見ると、すでにギャラリーで人だかりが出来ていた。


「「「あ、あの!お騒がせしました!!」」」


人だかりから抜けて【特別ゲート】でパスを見せてパーク内に入る


「と、とりあえず、中に入れましたからお二人が見たい場所へ行きましょうか、何か乗りたい物とかありますか?」


「雅さんと二人で観覧車にのりたいですぅ」

「旦那さんと二人きりで観覧車にのりたい!」


【ピシッ】二人同時にこたえると、俺の胸の前で顔を突き合わせて睨み合った


「あんなぁ?最初に雅さんをさそったのは、うちやねんから此処はおとなしゅぅ譲りやぁ静流ぅ」

「は?ふっざけるなよ!空!アタイはアンタのお願いを聞いて昨日は旦那さんとの初夜を我慢したんだ!アタイに譲るのが筋ってもんだろ!」


え?初夜?うそ・・静流さんそんなつもりだったの?、風呂に入れに来てくれたとばかり思ってたけど・・


「しょ、初夜!?あんたアホなんかぁ?!それは結婚初日の夜を言うんであって、あんたのやろうとしてるのは、夜這いよ!よ・ば・い!」

「あ、アタイは旦那さんと以外結婚なんかあり得ねぇし!後か先かの話しだろうが!それのこの際、夜這いでも昼這いでも関係あるか!」


夜這い?昼這い?昼這いってなんだ?そんな言葉聞いた事ないぞ??


「そういう、空お前こそ、観覧車で二人きりで何するつもりだ!?言ってみろよ!」

「う、うちはぁ、そ、そのぉ・・他の許嫁の人ともそ、その・・き、キスされてるようやしぃ、う、うちとも・・とか・・」

え、空さんそんな事考えてたの?で、でもなんか静流さんのより可愛らしく思えるのは気のせいかな?


「あ、アタイだって、そ、その旦那さんと、キスしてーよ!、その場の流れでそれ以上も!」

静流さん・・なんか好感度が出会った時から反転して振り切ってしまってる・・


「あ、あのぉ二人とも?観覧車は大体一番最後に乗るのがそ、そのお約束と言いますか、最初はジェットコースターとかフリーホールとかそういう派手な乗り物で、後から観覧車のような落ち着いた雰囲気の乗り物に乗るのが一般的のようです」


そう説明すると、二人も納得してくれたようだ

「確かにな!飯食った後にジェットコースターとか乗ると気持ち悪くなるかもだし!」静流も判ってくれたようだ

ウンウンと頷いてた空が

「それは、あれですなぁ最初は静流のような派手なおなごと遊んでいても、最後はうちの様な落ち着いたおなごの元に来るって事ですねぇ」

「あぁん?何だとコラ!」「なんですぅ?ホントの事ですやろぉ」













・・・・・・・・・・・はぁ誰か助けて




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