第17話 田舎王子と4人の許嫁
全員の自己紹介が終わり、食事もすすんだ
特にオムライスは絶品で、嬉しそうに食べる俺をみて隣の凛が
「雅君、気に入ってくれたなら私のも半分どうぞ?」と申し出てくれた。
折角の申し出なので頂こうと
「ありがとうございます、凜さん」
とスプーンですくおうとしたらお皿を引っ込められた。
「え?・・・・」
驚く俺に凜は笑顔で自分のスプーンでオムライスをすくうと
「あ~んw」
と俺に食べさせようとしていた、驚き戸惑う俺に
「「「ちょっーーーと待った!」」」
3人から待ったがかかった。
「私が特別に雅君に用意したオムライスなんだから権利は私にあるよね?」
そう言われては言い返す言葉もない、ここは恥を忍び凜に従う事にした。
「あ、あ~~ん・・・ん」
俺が食べると嬉しそうに微笑みさらにもう一口と結局凜のオムライスをほとんど頂いた。
顔を赤くして俯きながら食べるオムライスは・・・・味が分からなかった・・・・
最後のデザートとコーヒーを飲みながら、皆が落ち着いた所で詩織が本題に入った。
「みーくん、突然で驚くかもしれないけど私達全員がみーくんの許嫁なの」
「え?!」
その場の全員が詩織の言葉に頷く
驚き戸惑う俺を他所に詩織は話を進める
「みーくんは、みーくんが生まれる前からここにいる私達の誰かと結婚することを定められた運命の王子様なんだよ」
さっきまでの雰囲気とは違い淡々と話す詩織
「みーくんは、20才になるまでに私たちと生涯を誓う必要があるの」
その話は初耳とばかりに他のみんなも驚く
「詩織、その話は本当なの?20才までにって」
彩羽は詩織の次に内容に通じていたこともあり、自分の持つ情報とのすり合わせをしてるようだった。
他の2人は何やら考え事をしてるようだ、詩織は再び俺の方を向き話をつづけた。
「みーくんには、ここに居る私達以外にももう2名の許嫁がいるの、一人は多分恵美さんなら察しがつくんじゃないかな?」
ここで急に恵美に話を振る詩織、急にふられた恵美は驚きながらも思い当たる事があるのか少し考えて恐る恐る答える
「もしかして・・・六橋家?」
コクリと頷き恵美の答えが正解だと肯定した。
「もう一つの家は、私の口からは伝える事では無いので言わないけどたぶん遠くない未来でみーくんの前に現れると思う」
なにやら思わせぶりな言い回しで詩織らしくない
そんな詩織に凜が尋ねる。
「前から思っていたけど詩織は、なんで私達のだれよりも許嫁の秘密について詳しいの?」
詩織は、少し考え俺の方を見ながら遠い目をして答えた。
「そうね・・この場で言えるのは私・・二階家はみーくんの一堂家に一番近いって事くらいかなぁ」
今度は彩羽が詩織に質問した
「それは私たちの家の頭文字の数字の大きさに関係してるの?」
詩織は少し驚き、凛と恵美はお互いの顔をみて何かなっとくしたかのように詩織に向き直った。
「へー・・彩羽さんは結構鋭いのね・・・さすが四葉家から出て業界で活躍してるだけの事はあるね・・」
そんな賞賛の言葉も今の彩羽には無用だ
「そんなことより、どうなの?」
答えを急かす彩羽に詩織は目を閉じて黙って首を横に振った。
「その質問の答えであれば、全く外れという訳では無いけど正解とは言えないとだけ回答するよ」
ますます疑問が残る、もしかしたら爺ちゃんの手紙に答えがあるのか?俺は事前に手紙を確認してなかった事を少し後悔していた。
疑問が残る中で渦中の詩織が静寂を破る
「みなさん、色々思うところや疑問もあるでしょう、でもこれから徐々に親御さんから聞いたり周りの状況から判ってくることもあると思います」
皆は、納得はしてないが詩織にも事情があるという事を同じような家に生まれた娘として共感はできたのか頷いて今の時点では納得する事にした。
「そこで、この場で確認しとく事があります」
周りを見渡せば、みんなの真剣な表情だ
「この中に家の事は関係無く、みーくんの許嫁を辞退したい人はいますか?」
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