第13話 田舎王子と二階 詩織


各々自己紹介する事になり

まず俺から自己紹介する事になった。

自分は井の中村というところで物心つく前から育ち、村には同年代の友達も異性もいなかった事

高校1年のときに唯一の学校の校長で担任の先生が教える事が無いと引退して他校に転校しなければいけなくなった事

初めて降りた駅でモデルにスカウトされてそのままその日の内に撮影してその雑誌が先日発売された事

その仕事の合間に彩羽先輩とであったり凛や恵美と出会った事

雑誌の発売日翌日の情報は何も入ってきてないので今日の学校の状況に戸惑っている事

など、今までの流れをかいつまんで説明した。


俺の自己紹介と説明を聞き終わると4人は各々考え込んだ


そんな中、詩織が自己紹介を始めた。


詩織回想


私、二階 詩織は、学校ではその容姿を隠して目立たない様に生活し、プライベートではVTuberとして活動してる

これでも結構有名で売れてる方だと自負してる。

VTuber活動での収入だけで十分贅沢できるが二階家はみんなが知る、ITやネット関係のビジネスに携帯や通信の会社を幾つか持ってる。

日本人の皆が使ってるスマホや携帯の70%はうちの会社の物と契約だ。

その会社の環境をフルに活用して幼少の頃から疑似的に雅と幼馴染として生活しており私には雅君いや、みーくんしか見えてなかった。

幼少の頃はただ漠然と可愛い男の子で映像越しに見るみーくんは大好きなオムライスを口に頬張り可愛い笑顔でみんなに愛されるそんな子供の印象だった。

でも、ただ可愛いだけでなく大工(武術師範)のお爺さんと訓練と称し厳しい練習や組手をしていた。

そんな時師匠が近くに薪を取りに行った隙に小熊がみーくんの食べてる食事を狙って襲ってきた。

私はとっさに画面のみーくんに【危ない!みーくん!逃げてーー】と叫んだが当然あちらに届く訳もなくみーくんは振り返ると肩口を爪で引っかかれた

みーくんは驚いたが日頃の訓練の成果か右手を小熊の額に添えると、そのまま突き出した。

小熊は額の衝撃に昏倒して倒れた。

みーくんは肩口を押さえながら小熊を警戒し距離をとっていた時に師範が戻ってきた、その様子にただ事ではないと察した師範は小熊にとどめを刺そうとしたがみーくんが咄嗟に師範を掴んでとめた。

「ししょーくまさんわるくないよ・・いじわるしないで・・ぼくけがしてないよー」

そう泣きそうになりながらみーくんは必至に師範を止めた。

師範はみーくんの目線まで腰を落とすと頭を撫でてみーくんの優しさを褒めたたえた。

安心したのかみーくんはそのまま気を失ったようだ、みーくんを抱えて山を去ろうとした師匠の背後に親熊が忍び寄るが、師匠が振り返り視線を合わせると親熊はその場に伏せて突進を止めた。

画面越しでも判る迫力だった、抱えられるみーくんを見て彼の優しさに胸がポワポワしていた。


ある別の日は、山のふもとの花をみーくが摘んで冠を作った。

以前怪我をした際に何も言わずに黙って治療してくれた診療所のお稲さんのところに向かってるようだ、道中に躓いてこけたみーくんをみてアワアワなったがみーくんは泣かずに壊れてない花輪をみてニッコリしながら走っていた。

満面の笑みでお稲さんに花輪を渡してほめられて顔を赤くして照れていた。


それから中学に入るとみーくんは少年から青年にかわっていった体つきも大人になり筋肉もだいぶついていた。

いままでお風呂に入る姿恥ずかしさを感じてなかった私もみーくんの入浴姿をまともに見ることが出来なくなっていた(ちらちらは見ていましたw)

私もみーくんに合わせるように大人の体つきになり、向こうから見えないと判っていても咄嗟にカメラ越しにみーくんと目が合うと慌てて体を隠したりするようになった。


みーくんの行動ひつひとつに目を奪われて、かわいい少年から好きな男性へと変わっていった。


そんな中わたしの容姿も他の男性より好意をもたれるようになり町を歩けば声をかけられ社交界にいけば交際を申し入れされるようになった。

しかし、みーくん以外の男性には興味は無いしみーくん以上の男性も存在しなかった。


そんな中学生の多感な時期にお父様より呼び出され、自分はみーくんの婚約者だと伝えられた今更だとは思ったが子供の頃に伝えても理解できないとのお父様のご判断だった。

しかし其れは稀有というもので、私はもうすでにみーくんとの生涯しか頭に描けてなかった。

でも、ここにきて正式にお父様の口よりみーくんとの婚姻の事を聞けて嬉しくないわけが無く、生涯で一番お父様と二階の家に感謝をした。

あまりお父様に感情を向けないのだがこの時はタガが外れたのかお父様に飛びつき歓びを伝えた。

初めて見る私の姿にお父様は驚くと同時にとても嬉しそうだった。


しかしお父様は、衝撃の事実を私につたえた。

それはみーくんに私以外の婚約者が別に6人も居ること、そしておそらくみーくんを奪い合う争いが6家で始まる事

私は負ける気がしない私は他のだれよりみーくんの事を知り物心つく頃からみーくんと育ったいわゆる【幼馴染】といやつだ。

みーくん以外に興味をもたれないように普段は地味な女の子を演じ、みーくんに愛される女性を目指しVTuberとして活動した。

お父様にも私の意図を説明すると、私をプロデュースする為にVTチューバーの会社を設立し全面的に支援してくれた。

登録者という一つのステータスにおいて私は界隈の頂点に立った、それもこれもみーくんに愛される為のいわゆる花嫁修業だ。

花嫁修業と言えばみーくんが大好きなオムライスのレシピを秘密裏に入手し完コピ出来るまでになったのは補足しとこう。


そして、お父様は井の中村の秘密についても私に教えてくれた・・・それは・・・


ある日突然に、みーくんの居ない日常が訪れた、なんと井の中村から他の高校に転校するのだという。

私は絶望したが、転校先は私のいる学校だと聞いて歓びに震えたお父様からは住む場所も電話の番号も教えてもらった。(GPS追跡機能もw)


みーくんの引っ越した翌日私はみーくんの部屋の前でキョロキョロさがしていたら窓の向こうに髪を拭きながら全裸(腰にタオルはしてます)のみーくんと目が合った

電話中のみーくんは髪をタオルで拭きながら私の方をみたが私は数日ぶりのみーくんの姿に興奮し走り去ってしまった。


それからみーくんの雑誌を手に入れ(7店もコンビニを回った)みーくんのお部屋を見てると、またみーくんと目が合った生で出会いドキドキしたが顔が赤くなったのでやはりその場を去った。


明日はみーくんがうちの学校に転入する日だ待ち遠しい!しかし今夜は他の6家の婚約者を出し抜く為の算段を考えないと。


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