第12話 田舎王子ファミレスで話合う
恵美の行動力を甘くみていたのか苦い顔をしていた。
そんな3人に不適な笑みで返す。
「雅君は田舎で育ったって聞いていたから出来た物ではなくて手作りが好みだもんねーーーーw」
と「ねーーーw」のタイミングでこちらを見て満面の笑顔で同意を促した。
「えーと。ま、まぁ・・確かに、出来た物を買うってのは此処に来てから覚えたっていうのも、あるかなぁ?汗」
そういうと、恵美は勝ち誇った顔で凛や彩羽、詩織を見た。
特に凛はかなり落ち込んでいるようで、自分のお弁当をに手をつけず俯いていた
「凜さん、そのハンバーグとても美味しそうですね^^出来たら僕のオカズと交換してくれませんか?」
そう告げると、パッと顔を上げてコクコク頷いた凜は自分のお弁当を俺の方にそっと差し出した。
俺はその中からハンバーグを箸で半分に切るとパクっと口にほおばった。
とても、チェーン店の味とは思えない奥深い味に黙って頷き
「凜さんこのハンバーグとても美味しいですね^これなら毎日でも食べたくなります!」
そう伝えると凜は嬉しそうに俺の手を握り
「雅君さえ良ければ、いつでもご馳走するよ!それこそ毎日でも家にご招待するよ!」
そんな、凛と俺を交互のみて恵美は不満な顔で交換したコロッケを頬張った。
「でも、みーくんはオムライスが一番好きなんだもんねーーーw私オムライス作るのだけは誰にも負けないよ?!」
そう言いながら俺の腕をとって体をくっつけてきた。
「え、二階さん?!なんで俺の好きな・・・いやそれより、みんな見てますから離れてください!」
そういうとあからさまに不機嫌になった
「詩織って呼んでくれなきゃ嫌だ離れない・・・・」
そう目のハイライトを消して俺を見つめてきた二階さん
「わ、わかりましたから少し離れて下さい詩織さん!」
どうにも俺たちの席だけ、別世界の事なのか周りの生徒も遠巻きに俺たちの会話に聞き耳を立てているようだった。
そんな周りの様子を感じ取り、俺は「コホン」と咳払いをすると、他の生徒は何もなかったかの様に自分達の会話を再開しだした。
「はーーっ、全く・・・本日が初登校だっていうのに・・・」
と溜息をつくが、4人はそれぞれけん制しあい見えないが火花が飛び散ってもおかしくない気がした。
昼からの授業は滞りなくすすんだ、少し気になったのは授業内容が小学校高学年でならった内容だった事くらいだ。
まぁ初日だしおさらいって事だときにしないようにした。
本日は始業式もかねており5時間授業で終了だ2時半にはカエリのHRが終わり、俺と、詩織、彩羽の席にはお誘いの人だかりが出来ていたが
「ははは、みなさん申訳ありません今日は約束がありまして・・・せっかくのお誘いですが失礼させていただきます。」
そう皆に頭をさげて荷物をもつと校門の前に移動した。
校門の前でまつと女生徒から握手や写真撮影をお願いされて中には連絡先を交換してほしいと言ってくれる人もいたが鳳さんから知らない人とは交換しないようにきつく言われていたので
丁重にお断りした。
そうしていると、詩織、凛、恵美がそれぞれこちらに向かって歩いてきた。
その後ろで、スマホを振りながら彩羽が何か叫んでる。
『おーい雅ーーー茜さんが連絡付かないって心配してるよーーーースマホはどうした??」
そう言われて自分のスマホを取り出すが、見ると上には【圏外】の文字となにやら飛行機のマーク電話も出来ないので焦っていると
彩羽先輩が手をだしてスマホを見せて見ろっていうことで
スマホを手渡した。
「あーなんだ、機内モードにしてんじゃんwこれは連絡つかないよーー」
そう言うと手慣れた手つきでスマホを操作して此方に渡してきた。
手渡された瞬間にスマホが鳴り出す。
慌てて電話に出ると目の前の彩羽が手を振りながら【もしもし、これ私の番号ねw】と電話越しにはなしていた。
それを見た詩織以外の2人は目の色をかえて彩羽さけずるい!ということで結局、凛とも恵美とも番号を交換した。
「あら、詩織は番号交換しないの?」
そういう彩羽に勝ち誇ったように自分のスマホを見せる
「ザーんねんwそのスマホ私んちの会社のスマホでーーーすでに私は登録してまーーす」
そこには小学生の頃の俺の写真と俺の電話番号が表示されていた。
「「「その写真!ほしい(です)」」」
「えぇー?どーしょかな~?今日の席みーくんの横を認めてくれるなら考えるんだけどな~~w」
3人はぐぬぬぬと唸っていたものの渋々なっとくして詩織との取引に応じた。
俺の幼少期の写真を詩織からゲットした3人はご満悦であった。
暫くすると、おおきな黒いリムジン(リムジンの定義は未だわかってない)が校門に到着し運転が下りてきて後部席のドアを開けて
「凛お嬢様、お待たせしました旦那さまより仰せつかっております他家のお嬢様方と雅様もどうか御乗り下さい」
そう礼儀ただしく一礼するとその姿勢のまま俺達全員が載り終わったのを確認し後部席のドアを閉め出発させた。
車でおおよそ20分、車中でも一悶着あったがそれは些細なことなので割愛
目当てのデイズに到着すると、店の前に何人もの店員がお辞儀して待機している。
「凛さん?これは・・・・やりすぎでは?・・・・」
凜はため息をつきながらコメカミに指を添え首を横に振った。
「まぁ4家と雅さんに対して、五十嵐家が失礼無い様にとだけ多分責任者に言ったんでしょあんたの所のお父さん」
なにやら他人事とは思ってない彩羽はそう凛を弁護した。
過剰すぎるお迎えにかえって緊張してしまう俺を他所に他の4人は平然として案内された個室の席に腰をかける
席は俺の左に詩織、右に凛、右前に恵美、左前に彩羽と座った。
席次は車中で決まっており、これが一悶着の原因だ実にくだらない・・・・
まず飲み物から注文していく、俺たちはとりあえずお水とお茶をそれぞれ頼んで料理を選ぼうとしたが
「雅君今日は父から特別メニューでコースと聞いてますので」
と凜から伝えられたのでメニューをウエイターに返すとそっと右から『オムライスも用意させてるよw』とささやかれた。
最初にスープと付け合わせのオードブルが運ばれてきてそれをいただきながら詩織はタイミングをみて話をはじめた。
「まず、みーくんは執事長・・村長さんから何か聞いてない?この学校に転入した経緯とか?」
詩織に聞かれたが、俺には全く記憶にない、頭をひねって考えてると
「聞いてないなら手紙とかは?村長さんから渡されてない?」
そう言われてハッとした
「あ、あった!手紙!でも・・・忙しくて忘れてて読んでません・・・学校が始まる前に読むようにって・・・すいません」
そう頭を下げる俺に少しホッと安堵して詩織は他の女性に向き直った。
「ご覧の通りみー君は自分の置かれた状況も立場も理解してませんまず話をする前に私たちの家の事を含め自己紹介するのが先かとおもうけど?みんなどうかな?」
そういつになく真面目に話す詩織に対し、全員は黙って頷き同意した。
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