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 雲ひとつない空だった。太陽はあらゆる物を焼いていた。気温は36度に達していた。

 水川は、日野駅から歩いて30分の場所にある田上のアパートへ向かっていた。汗が滝のように噴き出てきた。


 ここ3日間、田上と連絡がつかなかった。それは、シンレイ研究会の3人ともだ。心配になった。何かあったのではないかと。もしかして、呪いで死んでしまったのではないかと水川は心配していた。


 水川がアパートに着くと、部屋から呼び鈴がなった。すると、ドアが開いた。

 田上が立っていた。「由香」というと、田上は水川を抱きしめた。「さあ、中に入って」と田上はいった。

 水川は部屋に入った。

「暑いね。麦茶にする?それともコーラにする?それともビールにするかい?」ととても明るい表情で田上は言った。

「ねえ、なんで連絡をくれなかったの?それに、シンレイ研究会の人はどこ?」

「連絡できなくてごめん。今までの溜まっていた仕事の処理をしていたから返信するのを忘れていた。箱の件はもう解決したよ。3人は帰ったよ」

「そうなの」

「そんな怖い顔をするなよ」

「だって、3日も連絡をよこしてくれなかったから」

「本当にごめん。謝るよ」というと田上は再び水川の事を抱きしめた。そして、キスをした。

 しばらく、抱きしめ合う二人。そして、田上は水川の耳元で「我慢できない」というと、水川の胸を揉み始めた。

 そのまま、リビングにあるベッドに向かい2人は裸になりセックスをした。

 水川は、急に大胆になった田上に驚いた。身体中をいつも以上に愛撫されて、思わずいつもより大きな声が出てしまった。


 事が終わると水川は疲れ切っていた。1時間で2回もしたのだから無理もない。

 田上は、隣でタバコを吸っていた。とても、満足げな表情をしていた。

 水川は色々と疑問に思う事があった。

「ねえ、結局あの箱はなんだったの?」

「さあ、シンレイ研究会の人たちも分からないらしい」

「それで、箱は?」

「箱はシンレイ研究会の人が持って帰ったよ」

「そうなの。それで、あなたに憑いていた黒いものはお祓いできたの?」

「うん、だいぶ苦労したけど霧島さんがちゃんとお祓いしてくれて、黒いものは取れたよ」

「それならよかった」

「ねえ、今日からまた同棲するだろ?」

「うん。そのつもりよ」

「やった。これからもよろしく。由香」

「こちらこそ、よろしく」

 すると、田上は、水川の額にキスをした。そして、田上は水川を押し倒した。

「え、またするの?」

「嫌だ?」

「ううん。いいよ」

「これからはずっと一緒だよ」

「うん」といって水川は田上に身を任した。


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