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田上は今回のことが、かなりのショックだったみたいで「昼寝する」と言ってから8時間以上寝ていた。
水川は、どうすべきかわからずに一緒に田上の隣で昼寝をしたが15分で目が覚めてしまった。
しばらく、一人で考えていたが答えは出なかった。
なにか方法があるはずだと、水川はMacBookで「お祓い」」「除霊」と打ち込んだ。すると30万ものページがヒットした。
ページを上から順にクリックした。
どれも、怪しいものばかりだ。神社のホームページや、除霊グッズを売るサイトなどが目立つ。中には整骨院なのに除霊ができると書かれたサイトもあった。
水川は次のページに行く、次は「シンレイ研究会」というサイトだった。サイトを覗くと、突然、YouTubeチャンネルが再生され大きな音量の音楽が流れたので驚いた。試しに動画を見ることにした。
ゴーストバスターズのようなオープニング曲から始まり、タイトルに「シンレイ研究会」とピンク色でポップなフォントが特徴的なタイトルが出てきた。タイトルが終わると、3人の男女が椅子に座っていた。
その動画は、霧島という女性の霊媒師が怪談を喋り、幽霊に取り憑かれた視聴者の除霊を行うものだった。
映像はとてもリアルで、中には白い女の顔が映る動画や異音やラップ音が聞こえるものもあった。
そして、番組の最後にかならず「除霊して欲しい人を募集しています。概要欄からURLでホームページに飛んで連絡してくださいね」と可愛らしく霧島は言って番組が終わった。
それを見た水川は、怪しいと思いつつもホームページの投稿フォームに、今の状況を書いて送った。
水川は、謎のYouTuberにすがるぐらい疲れていた。
少しでも良いので気が楽になりたかった。
箱が2回も、戻ってくるなんて考えられない。それも、1回目は多摩川に投げるところ見た。2回目も神社に捨てるところを見た。
あれは2人の集団ヒステリーだったかもしれない。だが、どちらにしろ、箱が手元にあることには間違いない。そう思うと怖くて堪らない。
認めたくないが、1度目なら偶然だ。だが、2度目なら、偶然ではない。呪われているとしか思えない、と水川は思った。
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