第38話 最終話①戦没者へのレクイエム・非核三原則
4章「鎮魂歌」
非核三原則は衆議院本会議にて1982年(昭和57年)5月27日に決議された。
石油の一滴は血の一滴・・・。
そう教えられて育ってきた自分は、大日本帝国のイデオロギーを受け継いでいる。
ミッドウェー海戦の惨敗は、無念やるかたない悔しさが残った。
全ては戦略・戦術の甘さの集大成であり、今回もまた勝利するであろう圧勝のレビューを胸に抱いていたからこそ敵の戦略にまんまと飲み込まれ上官の命令を信じ切り花と散ってしまった兵員の無念を汲み取りときこそ妄念に取りつかれし慚愧の念を禁じえない!
しかし負けた事を悔やみどう勝つか考えるのは愚の骨頂であり、永久に戦争は終わらないばかりか核ミサイルを保有したままの国は一向に減少せず戦争の脅威ばかりが接見している。
それならば一層の事、核兵器を完全撤廃したらどうか?との考えにより非核三原則の決議に至った次第である。
核を持たない、持ち込ませない、作らないと日本に原則を表明したら右に倣う諸外国も出て来るのではないかとの淡い期待であるが、恒久的平和が世界にやって来るまで私は表明し続ける所存だ。
今こそ兵員の尊い命を敬いレクイエムを捧げよう。
鎮魂歌・「気高き魂」
水平線を遥か望み
キミの瞳に写ったものは黒鴉か
群れ為す鴉を孤独に負けじと蹴散らした
軈ては嘴に啄まれた気高き魂
妄念が命啄む!妄念が国を亡ぼす!
どうか安寧の海に眠りて気高き魂よ
彷徨う事なかれ母なる海へ・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます