第10話

神戸市兵庫の鴉原村には一級河川の石井川が流れ公共の利害に重要な存在であったためその存在を誇張しようと神戸市が公共工事を計画し、周辺住民に根回ししていた。

 石井川の中流に赤い水車が有り水車の横に木造の小屋を建てて、村民がコメの粉引きや線香に加工する楠木やクリ、エノキの等樹から線香の原料紛の粉引きなど、当時は石臼を使って北淡などに供給していたが、需要が拡大して行き家内工業では間に合わなくなっていた為、村長令が出され村総出で鴉原村の女子達が働いていた。


 カラスの勇二とは曲がり角勇二の事で、泣く子も黙る喧嘩一番の半グレだったが、尖った言葉尻には優しさが見え隠れしていた。


 雨が降れば石井川は水量が増し、水車小屋n基礎まで川に浸かり軈て小屋内にも冠水しいて、粉ひき作業も儘為らない状態に為り小屋が石井川に流されたのは」一度や二度では無かったくらいに頻繁に大雨に泣かされていた。


 勇二が海軍入隊手続きを済ませ村に帰って来たのは夕方間近だったが、村の憩い場所である酒処「くすもと」に立ち寄り「酒、熱いの2合徳利で、入れてくれ鰯もな・・・。」

明日

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