第3話リメンバー、パールハーバー!

令和6年4月、白熊病院の中庭には、桜が咲き誇り満開の桜の木々が、処せましと、外門を出て坂道を下る通用口には、桜モールと呼ばれてその並木道を通ればチラチラと雪の様に桜吹雪が通る恋人達を祝福するかの様に舞い堕ちていた。


 昭和16年にはまだ日本にリベンジという言葉は延っていなかった。


 ましてやアメリカには、「リメンバーパールハーバー!」


という言葉が合衆国本土に席巻していた。


  桜並木の坂道には右手を添えられた背中の温もりが優しいと感じた曲がり角勇二(まがりかどゆうじ)と看護婦の須崎八代(せざきやしろ)が並び坂上の白熊病院を目指して歩いていた。

 高

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