冬月雪兎珍道記 出張版2

夢水 四季

ささくれ

「さねちー、指なんて見つめて、どうしたのさ」

「ん~、ちょっと、ささくれが出来ちゃってさ」

「ふぅん、引っ張って取ればいいじゃん」

「そうすると血が出るだろ」

「僕はあまり気にしないな。ささくれある方が嫌だし」

「う~ん、どうしようかな」

「これを機に、ささくれの治し方をググってみるか」

「うん」

「ささくれが出来る原因は、主に乾燥だって」

「へえ、僕の手、乾燥してたのか」

「最近、色んなところでアルコール消毒するじゃん。それも乾燥の原因」

「水分つけてるから潤ってんのかと思ってた」

「違うみたいだね。んで、爪切りや眉用のハサミ、キューティクルニッパーなどでカットします。ある? キューティクルニッパー?」

「そんなのないよ。ていうか、何それ、初めて聞いたよ」

「ないならいいや」

「普通に爪切り使うよ」

「ちゃんと根本から切るんだよ」

「うん。……切れた」

「その後はハンドクリームとかで保湿ね」

「OK」

「さねちー、ハンドクリームとか持ってたんだ」

「それくらい持ってるよ」

「おしゃれに興味ないのかと思ってた」

「ハンドクリームはおしゃれの範疇なの?」

「いや、さねちーのおしゃれレベルは低いから、ハンドクリームさえも塗らないと思ってた」

「馬鹿にし過ぎでしょ。社長になってからの僕は、見た目も気にするようになったのさ」

「指先まで綺麗にしたいならネイルもいいけど、さねちーはやってないか」

「そうだね。まだそこまで手は出してない」

「最近、美容男子って言って、男の子も見た目に気を使うようになってきてるよね」

「化粧とかだろ。僕もテレビ出る時にメイクしてもらったな」

「いいなあ、プロのメイク。で、ささくれの予防法だけど」

「話を戻すのね」

「やっぱり保湿だって」

「保湿大事だね」

「さねちー、家に加湿器とかある?」

「ないな」

「そうか、さねちーのおしゃれレベルはこれくらいか」

「別に買ってもいいんだけどさ」

「じゃあ、この後、家電見に行こうよ」

「いいよ。早速行こう」




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冬月雪兎珍道記 出張版2 夢水 四季 @shiki-yumemizu

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