第2話 馬鹿だなって思ったら勝ちで、好きって思ったら負けで

 年の違いはまるで親子みたいで。相棒って言葉がぴったりだった。背中をあずけられるくらいに信頼していた。振り返ったら、同じように振り返って意味もなく笑って、いっせいのーでで戦う。それが僕と君だった。


 しとしとと降る雨を二人して見上げては苦笑いをした。


「この雨、いつまで降るつもりなんでしょうかね……」

「雪よりはいいんじゃない?」

「そりゃまあ……そうですけど……」


 たわいのない会話。それがどれだけ大事か、あの時の僕には想像もつかない。


「今日蒸し暑いっすね」

「そうだね」

 と君が笑う。


「いっせーのーで!」

 君合図で始まるんだ。これが合図だ。


 何気ない言葉も、たわいない会話も大事で。

大きな背中に……大きな手も全て任せられる。

それがどれほど大事で、どれだけ必要かと気が付くんだ。

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君の声が僕の声が 八雲夜久真 @yakumoyakuma

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