君の声が僕の声が

八雲夜久真

第1話 すべて世界がひっくり返ってはじまったんだ

「いってきます」


 その言葉で君が少し遠くの町へ行ってしまった。もう会えないのかも知れない。


 寂しい?

 そりゃね、さみしいよ。


 浮気しないでね?

 するわけがない。


 なんでって?

 言わなきゃわかんない?

 意地悪だな。分かってるくせに。



 *****

 僕と君の出会いは、もう何年かな?

 指を折って数えてみた。


 今年の六月で三年か……

 まだそんなもん。 もうそんなに経つの。



 それが大袈裟かな? ってくらいの僕と君の価値観だった。僕は少し考えてみたんだ。

 これがはじまり、これがそう、はじまり。


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