オーバーワーク
私は全体的に血液データが薄いみたいだ。そこからのオーバーワーク。
私は2〜3日でお薬もらって退院らしい。
今は左腕の血管に点滴が
こんな情けない形になるなんて。
涙が頬から流れる。
部屋はたったの一人。
誰かが扉をたたく音がした。
「どうぞ」
外から入って来たのは…。
私のプリセプター、堤さんがゆっくり歩いてきた。
プリセプターとは、簡単に言えば私が堤さんを一人前に育てたという事になる。
田中さんの次の係長である。
「堤さん、仕事は?」
「とっくに済ませてきましたよ。それよりお聞きしたい事があるんです」
「何か?」
「いや、何でもないんです。ただ…」
この後に及んで私は、わけのわからない感情を堤さんにぶつけた。
「来てそうそう悪いんだけれども、帰ってよ。何で来たのよ。もうほうっていてよ!」
「はい」
「こんな惨めな姿、見せたくないの」
堤さんは何も言わずに、私の暴言を受け止めた。そして静かにこう言った。
「玉置さんが私を育ててくれた時、玉置さんは輝いていましたよ。あなたが田中さんと一緒に行動するようになったとき、嫌な予感がしました。」
堤さんは、私のくしゃくしゃになった髪の毛をゆっくり手櫛で整えた。乱されていた心がすーっと落ち着いた。
「あなたは今、家に帰ってはいけません。そんな事をしたら、命を失うかもしれません。私の家に来てください。私はロフトに寝ますからお気になさらず。」
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