私は実はオオカミなんです

玉置さんは私を屋上に連れて行った。

そして、屋上のドアを閉めた。


「なんで食べてないとか、寝れてないとかいうの?ハグを拒んだのはあなたでしょう?」


「玉置さんは知らないと思うけれども、私は…


 私は、玉置さんを壁ドンして、そのままキスをした。


玉置さんは、私の腕を振り払った。


「なに考えているのよ」


「私はこういう人なんです。下手にハグされたら、人前でこういう事をするでしょう。それで止められなくなっていきます」


玉置さんは動揺しているようだ。


「気にしないでください。私はこれ以上玉置さんのそばにはいられませんから。辞表を出すつもりです」


「辞表?」


「食べていけるので問題はないですよ」


「いやいや、問題ありありでしょう」


「もしかしたら電話をかけてしまいますから、ブロックするか電話番号変えてください」


「何でそうやって何でも一人で決めちゃうの?」


「私はドライなんですよ。というわけで、さようなら。もう会うのもやめましょう」


玉置さんは涙を堪えた。つもりだった。でも、とめどなく涙は溢れた。


「会うのもダメなの?」


「私、会ったら間違いなく襲ってしまいますよ。いやでしょう?」


「嫌じゃない、さっきは驚いただけだから」


「どうしたいですか?」

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