遅刻しない田中さん

田中さんは遅刻をしなくなった。


元々バリキャリなためか、係長に昇進した。

係長は私と田中さんの2人だ。

これはありがたい。

2人で仕事を分担出来るようになり、定時過ぎに上がれるようになった。


「今度、2人でご飯に行きませんか」

「良いよ、昇進祝いだね。ランチだよね」

「ディナーが良いです」

「でもさ、田中さんはお弁当作って切り詰めているよね。ランチは給料日に1000円くらいとか

「たまになら良いんです」

「そう。じゃ、行こうっか」


れっきとしたレストランだった。

おしゃれな門構え。


イタリアンのフルコース。

お酒はワインを少々。


私達は黙々と食べた。ワインを飲む時は雑談をした。


「玉置さん、吉田のうどんが食べたいんです」


「道の駅富士吉田で吉田うどんを食べようか。富士山も見えるしね」


「本物に近い吉田うどんが良いんです」


「今度、お店探そうか」


お店を出て、私たちは解散にする事にした。


「ハイタッチ、は嫌なんだっけ」


「そういうわけじゃないですけれども、ちょっと…」


「無理しないで良いよ。じゃあ、またね」


「…」


 田中さんにはこれで良いんだ、きっと


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