師匠が弟子に望む事
「・・・で、ミィナ君を"同僚"にしたと?」
「ああ」
今ミィナには、結界の調整をしてもらうべく外に行ってもらっている。
そして、ハリウッドには5年前のミィナとのやり取りを話した。
「なるほどな。あの魔力量の意味が、よく分かったよ」
「話が早くて、助かったよ」
ミィナの淹れてくれた紅茶を飲むと、ダージリンの香りが鼻から抜けていく。
心落ち着く味だ。
「それにしても、凄いな。あれなら、ローブは取れるだろう」
「だろうな」
「・・・何だ、嬉しくないのか?」
「いや?そんな事は無いが、ミィナには私を超えてもらおうと思ってな」
"ガシャン"
ハリウッドが、カップを落としてしまったーーーの前に、私が魔法で受け止めた。
「何だ?そんなに、驚く事か??」
「ヴァイオレット、お前はついにイカれたのか??」
「何を言っている。私はいつでも正気さ」
私は、豪快に笑った。
あのいつ何時でも冷静なハリウッドの半分放心状態の顔を見ているだけで、笑いで腹が痛くなってくる。
「はぁ・・・」
ハリウッドは、眉間を指先で強く押さえた。
「良いか、ヴァイオレット。お前の実力は、お前が1番分かっていない」
「隅から隅まで、1~10まで把握しているが?」
「"つもり"の間違いだな。・・・あの子にも、かけているんだろう?
私は、フッと笑った。
「さすがだな。私の魔法を一発で見抜けるのは、もうお前くらいだろう」
「・・・
「『生身の人間が持てる魔力量は、
私は、なんてことないようにあっけらかんと言った。
「分かってるじゃないか。この時点で、お前は尋常じゃない。そのお前を、あんなに非力な少女に超えられると思うか??」
「ああ。私の目は、まだまだ狂ってない」
ニッコリと笑って、ハリウッドの言う言葉全てを論破していく。
それでも懲りないのか、ハリウッドは食い下がる。
「あの子を見ただろう?魔力量は、確かに
「さすがに生身の人間であるお前の目は、そろそろ衰え始めているのかもしれないな」
「・・・何だと?」
ハリウッドは、イラつくように片眉を跳ね上げた。
「本人を見て、しっかり自分の目で確かめてみたらどうだ?」
私は、玄関の方を見た。
"ガチャ"
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