第4話 タメ口

「分かりました!あなたたちのチームに入ります!あなたたちのチーム名を教えてもらってもよろしいでしょうか…?」

カレンさんは、最初は強く言って、最後は少し弱々しく僕たちに聞いてきた。

(チーム名、か…。決めたことがないな)

僕とアサカは目で通じあって、同時に言った。

「「「サイキック」です!!」」

こうして、僕たちの「サイキック」という、このサイキックパワーワールドそのものの名前のチームが誕生したのである。

「サイキック………。いいチーム名ですね!これからは同じチームとしてお世話になりますので、タメ口でもよろしいですか?」

「はい。むしろタメ口で喋ってください〜」

アサカが、周りを笑わせるように言った。みんな一瞬ポカンとして、一気に笑い出した。

「はい!よろしくね!」

カレンさんがタメ口を使うのは、少し新鮮だった。友達になったような気がして、嬉しい。それに、仲間が増えた嬉しさもあった。しかも戦士の3人が入るのだ。こんな嬉しいことはないだろう。

「実は、私たちでも敵わない強いライバルがいる、んだよね。」

カレンさんも、タメ口を使うのは少し抵抗があるみたいだった。僕は咄嗟に、

「カレンさん、無理してタメ口は使わなくてもいいですよ。別に抵抗があるのなら、敬語でも………」

と、カレンさんに声をかけた。カレンさんは、ビックリしてたけれど、顔が少し曇ったように見えた。そして、

「………大丈夫よ。」

と、小さな、闇に消え入りそうな暗い声で言ったのだった。

(カレンさん、どうしたんだろう………。さっきから、ずっとアサカを見つめているような気がする………。まあ、気のせいだろう。誰だって、少しは見つめたいものだ。)

その時は、違和感を覚えなかったけれど、あとで違和感を覚えるようになった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

サイキックパワー! 星尾月夜 @yyamaguchi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画