第39話:俺なりの異世界の冒険
あなたは異世界に行った経験があるだろうか。
正直、全てが怖く思える。店の中は安全と思えるようになったけれど、そもそも店(異世界側)だって俺にとっては未知の場所だった。
ルルの村に向かうときもだいぶ思い切った。ただ、明らかに田舎の風景って感じで、一応道もあったので気は楽だった。幸い魔物にも出くわさなかったし、そういった意味では怖い思いはまだしていない。
一方、町中は違う。俺の知り合いは金髪ブルーアイズ、リク・カイ・クウの3人組、ライオンマスクのほんの数人のみ。
あとは未知のエリアなのだ。多分、言葉は通じると思う。金髪ブルーアイズとカイは別としても、ライオンマスクやルルと話ができたから。
この店は町の外れの方にあるから、店の前の道を人がどんどん歩くことはない。だからこそ、この町にどんな人が住み、どんな生活をしているのか分からない。
知らないと怖い。ある意味当たり前なのだ。それを払拭するには町に出て、知るしかない。幸い、ルルも一緒に来てくれる。これはチャンスかもしれない。
「よし! 行くぞ!」
「はい!」
俺は勢い良く店のドアを出た。ルルは横を付いてきてくれている。
まず悩んだのは服装だ。金髪ブルーアイズとかカイとかの服を見る限り、日本みたいにみんながきれいな服を着ている感じじゃない。
繊維は粗く、新品というよりは古着という印象。ルルの村はもっと繊維が粗く、こっちは麻を編んだようなものが中心だったので更に文明レベルが低い印象だった。
俺のざっくりとしたイメージでは、ルルの村は縄文時代とか弥生時代のレベル。この町は中世ヨーロッパに近い感じだろうか。ルルの村とは明らかに文化レベルが違うように見える。
舗装されていない道を歩き、中心部と思われる方向に歩いていく。
「コーイチ様、大丈夫ですか?」
俺の緊張した雰囲気を察してか、ルルが気を使ってくれている。情けないけれど、これが俺だ。変に背伸びしたら、また神様にされてしまう。
一歩また一歩と見慣れない風景の町並みを中央に向かって歩いて行った。
町の中央に向かうにつれて人が見えてきた。そこには、割と西洋寄りの顔つきの人が多くいた。そういう意味では、カイは日本人顔をしているので珍しいのかもしれない。
ただ、この町では赤髪も、金髪もいる。顔つきも色々だ。獣人だっている。それが普通のこととして受け入れられた世界。
黒髪のヤツはいないけど、カイだって黒髪だ。俺は気後れせず堂々としていればいいんだと自分に言い聞かせた。
少し歩くと、商店街の様な場所に出た。商店街と言ってもアーケードと言うよりは、屋台的な店が並んだ場所だ。驚いたのは、その半分以上が閉まっていて、営業している店もほとんど商品を置いていない。
どうやら品不足と言うのは本当らしい。
□
今日は短め。ごめんなさい。あしたこそ!
明日は、カイと出会う予定。
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