第7話『報告7』
ひとまず愛媛県松山市に到着。
しかし、残念な事に私は挑戦を諦めた。
残り20キロ地点でバスを使ってしまったのだ。結論から言うとまず舐め過ぎていた。滋賀から大阪までの距離を歩き抜いていた経験と徳島で約1ヶ月間毎日往復2時間の徒歩で鍛え抜いた足腰で過信していたということ。そもそも履いているモノがクロックスときたもんだ。キツいに決まっている。
過酷な環境に私は破れたのだ。
コンビニがなければ自動販売機すらない。
10時間以上も飲まず食わずが続いた私は何か食べるモノがないかとリュックを漁るほどだった。するとパッケージ限定のフリスクみたいなものが出てくる。もちろん食べる為に購入していたわけではない。しかし、心が折れていた私は構わず封をあけた。賞味期限は23年10月。とっくに切れていたがそれを食べ精神を落ち着かせた。
たいして補給にもならないモノだったが喉を通すことで少し気持ちをまぎらわせた。
次に新たな問題が起こる。
何故か身体がフラフラし始める。その正体は睡魔だった。歩いて身体を動かしていたとはいえ10時間以上も歩いていた身体は自分の意志とは逆に悲鳴を上げていたのだ。
だが、この雨の中何もない環境でどこで睡眠をとるいうのだ?折り畳み傘を使用しているとはいえ服はびしょ濡れ、リュックの中にまで雨水は貫通し替えの服もびしょ濡れだった。こんな格好で寝たろうもんなら風邪を引いて体調悪化に繋がる恐れがあるというもの。こんな所でそんなことになったら一巻の終わりでしかない。
そう思っていたが身体の弱体化には抵抗することができず私はそのままなるべく場所を選び仮眠をとった。
1、屋根付きバス停ベンチ
2、トンネルの中
3、ゴミステーション横ベンチ
4、ほぼ車が取らない道路脇
5、お遍路さん無料休憩所プレハブ
6、道の駅ベンチ
夜〜朝方にかけてはほぼ人や車等の通行がなかったからできたことかもしれない。その為かわからないが夜の山道はほぼ街灯もない。携帯でライトを照らさないと全く歩く道が見えないレベルだった。携帯のデバイスを数台持っていなかったらすぐ充電も切れ場所もわからず詰んでいただろう。夜の山道の恐怖を物凄く感じた。
まぁそんなこんなで無事辿り着けた。
とくに高知で何かをしたわけではないがこの歩き移動でかなりの思い出になったことだろう。この経験がいかに自分が当たり前に好きなモノが買える環境にいたんだと改めて有難味を知る1日となった。
言いたいことがバラバラとあまりまとまった文章に整理できなかったがとても端的に伝えるのが難しいほどの体験だったということは理解して頂きたい。
ネタになったとはいえ疲れた。
また新しい旅立ちの準備をせねば。
移動時間約28時間。
心が折れた回数4回。
この文脈を1人の友に送る。
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