第4話犯人の晩餐

「黒井川さん。二人目の犠牲者を調べますと、元暴走族てすね。河合典子は。逮捕歴があります」

川崎巡査はメモ帳を見ながら報告した。

「2人の共通点は、警察のお世話になった事だけか?」

「いいえ、2人の出身中学も県立桜山中学校の出身です」

「何故、分かる?」

「2人の名前で照会をかけると、学校名が出てきました」

「でかした、川崎君。じゃ、今からその桜山中学校に行ってみるか?」

黒井川は、タバコに火をつけた。


「あぁ〜、美味しい。舌の味は最高だ。舌は薬。身体の虫が消えて行く。痒い痒い」

犯人は、舌の生姜炒めを食べていた。

傍らには、若い女性の刺殺死体が転がっている。


黒井川と川崎は桜山中学校で2人の卒業アルバムを見ていた。

そこには、優しそうな顔つきをした教師が写っていた。

2人の共通点を黒井川は見つけた。

「川崎君。2人の被害者はこのメガネの先生の教え子だね」

「……えっと、天馬克也先生ですね?」

「そ、天馬先生。何か先生なら知ってるかも知れない。今、どこの学校か調べてみようか?」

「はい」


ピコピコピコ


川崎のスマホが鳴る。

「はい川崎。……えっ、なんだって?……分かった。そっちに向かう」

川崎はスマホをポケットにしまって、

「黒井川さん。また、犠牲者が出ました」

「チッ!何人殺せば気が済むんだ?」

2人の刑事は、現場に向かった。


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