第3話捜査
川崎巡査は黒井川警部に事件の説明をした。
「えぇ〜と、現場付近から被害者のモノと思われるショルダーバッグに財布が入っていて、免許証によると、河合典子、30歳です。名古屋市北区大曽根と住所が記載されていました。腹部と胸部にボウガンの矢らしきもので殺害されていました。近くに一斗缶があり、そこにはキノコと舌が串打ちされて、食べた後が残ってます」
黒井川は、
「一体、何の為に……。川崎、舌ってのはそんなに美味いのか?」
と、問いかける川崎は、
「ぼ、僕は人間食べたことないですから」
「そうだよな」
黒井川はボソリといった。
瑞穂警察署は「連続殺人事件捜査本部」を設けて、捜査の指揮官が代わった。キャリア組の藤岡篤史29歳。階級は警視。
黒井川は藤岡の下で働く事になる。彼はキャリア組ではないのだ。
「この連続殺人事件の指揮はこれから、愛知県警本部の私が指揮をとります。所轄の警察だけでは難しいでしょう。どんなに、些細な情報でも良いので所轄は聞き込み捜査に専念してくだい。分かった?黒井川警部」
藤岡は、隣に座る黒井川に言った。
「はい。分かりました」
と、一言。
「以上、解散」
「黒井川さん何なのあの、バカは?」
川崎は黒井川の部下だが、藤岡とは何の接点もない。
「オレは、独自で捜査する。まずは、被害者のどんな小さな情報で良い。オレに教えてくれ!」
「黒井川さん、藤岡警視に見付かったら、まずいんじゃ?」
「オレが責任を取る」
「分かりました。生い立ちから何から何まで調べ上げます」
「頼んだぞ」
「はい、人間の舌でバーベキューするサイコパス野郎は、必ず僕たちが」
「頼もしいな?」
黒井川は、ハーッとため息をついた。
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