第2話不思議な死体
「あっ、久保田さん。お疲れ様です」
と、川崎巡査が話した相手は今年の冬で引退する久保田健吾警部補59歳だ。
27歳の川崎巡査からしたら、親くらいの年の差である。
「川崎君、今回の事件の聞き込みをしていてね。昔っから、オレは自転車だよ」
「パトカー嫌いでしたよね、久保田さんは」
「まぁね、オレが担当する最後の事件になるかも知れん。必ずオレが犯人を逮捕してやる」
自転車にまたがりながら、そう言う久保田は川崎巡査に聞き込みのコツを説明し始めた。
「えぇ〜、今回の事件の被害者は、県内の三河大学文学部3年の天野ひろみ、21歳。過去に補導歴がありますね。深夜徘徊です」
と、捜査に当たる刑事が言う。
「死因は、コタツの丸打ちコードで首を絞められた事による窒息死です。それから、舌根から切り取った舌を調理した後がありましたが、ニンニク、鷹の爪、コンソメで味付けされていました」
と、鑑識が報告した。
現場を指揮する、黒井川警部は、
「この、猟奇殺人犯は犯行を繰り返すかも知れん。パトロールで不審な人間がいたら、構わん、どんどんしょっぴけ!以上」
しかし、犯行は続いた。
久保田警部補が公園内を巡回していると、楠の木の根元に女性が倒れているのを発見した。
胸と腹に、ボウガンの矢が3本刺さっていた。
久保田は直ぐに報告すると、他の警官が公園の周りに警戒テープで立入禁止にして、続々と警察関係者が現場に到着した。
黒井川が現場に到着した。
「お疲れ様です。警部殿」
「あっ、久保田さん。何、久保田さんが第1発見者だって」
「はい、たまたま、この一帯を巡回していたら……警部殿、また、舌が……」
黒井川はチッ!と、舌打ちした。
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