第49話 悪しき者たち(1)


ジークが神戯の狭間へと

送られて少しの時間が過ぎた。


建物内を歩き考え事をしていた

アリアは隠蔽のエリアに

認証を行った者がいることを知覚した。


「ジズか、、、。ルミエラに続き

戻ってくるものが多いな。」


ルミエラの時とは異なり

人物の認証まで確認したアリアだったが


「この人数はおかしい!!

おい!!至急近衛と戦闘の準備に入れ!!」

アリアの発言により

近くにいた近衛たちは

慌ただしく動き出し

非常事態が宣言される。


「どうした。何やら騒がしいぞ。」

ルミエラがアリアを見つけると

近くに寄り話しかける。


「ジズの認証を知覚したのだが

その後入ってきた人数がおかしい

200人ほどいるのだ。」

アリアが知覚した状況を伝える。


「ふむ、、。帝国のものか?」


帝国では奴隷制度がある

名目麗しく魔法の才のある

エルフたちは高値で取引されているため

何度か進行されそうになったことがあった。


「だが、認証を潜り抜けてきたことは

今までなかった。ジズが裏切ったのか?」

アリアが独り言ちる。


「今はジークは神戯の狭間の最中だ

ジェイドとエリスに応援をお願いしよう。

私も行く。」

そう言ってルミエラは急いで

アリアのそばから離れる。


「やはり、変革の時が近づいているのか。

今後の未来は考えねばならんな。」

アリアはエルフの未来を

考えざるを得なかったのだ。



ルミエラたちが認証をした場所から

北へ向かった場所

近くには帝国の領土があり

首謀者は帝国の者たちだと

考えていたアリアたち。


偵察を行った者らによると

エルフの姿はなく

人間たちが森を闊歩しているらしい。


「どうする?奇襲でも掛けるか?」

ジェイドがルミエラに確認を取る。


「そうだな、人数的に

交渉などと言ったことはないはずだ。」

ルミエラの発言にアリアも頷く。


「私とジェイドで奇襲をします。

その後混乱に乗じてエルフの皆さんに

攻撃していただくようお願いします。」

エリスが発言する。


「私も奇襲に加わろう。」

ルミエラも話に加わる。


「では、みなのもの

よろしく頼む」

アリアが発言し全員が行動を開始する。


「しかし、ジークの周りは

問題が起きるな。」

はっと笑ったジェイド


「ジークには可哀そうだけど

トラブルメーカーの素質があるわよね。」

エリスの言葉にルミエラも苦笑いをする。


「見えたな。」

ジェイドの発言に

二人は気を引き締める。


200人と聞いていた人数は

確認できるだけでも倍以上はいることが分かった。

格好も騎士のような恰好ではなく

軽装備の所謂盗賊団のようなものだ

さらには周りを警戒しているそぶりもなく

下品な笑い声も響いている。


「なんだ、普通は大人しくしたり

すんだけどな。」

軍の経験者でもあるジェイドが言う。


「違法組合の連中なら

そんなこと関係ないだろう。」

ルミエラがジェイドの問いに答える。


「とりあえず、やるか。

エリスの魔法の後俺が切りかかる。

ルミエラは状況に応じて対処してくれ。」

一緒に戦ったことがなく

ジェイドは少し困って指示を出したが


「「了解した(わ)」」


エリスの魔法が

盗賊団に放たれる。


エリス達が盗賊団を発見し

攻撃を仕掛けていた時


アリアたちは

後方で待機していた。


「何かがおかしい。」

アリアは目をつぶり

引っかかる

考えていた。


ジズと言う人物を考えれば

裏切るような者ではない

精神を操られていたとしても

認証までできるのかと

考えていた。


「それに、、、。」

エルフの姿が見ないというのも気になる。

では認証したジズはどこにいるのか。


アリアが考えに思考を

優先させているとき


「おいおい!知られてるじゃねーか!!」


粗暴な声をした男の声が聞こえた。



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