第48話 神戯の狭間~ジグルド=アルカナイン~



前回と同じように

光が収まり目を開けるジーク


『また会ったな、ジーク』


目の前には

鏡乱の回廊で会った男が立っていた。


「あの時の人は

ジグルドさん。やはりあなたでしたか。」


話を聞いてもしかしたらと思っていた

ジークだったが、今回会えたことで

ジグルド=ジークのご先祖=鏡乱の回廊で助けてくれた男

と話がつながったジークだった。


『名前まで知っていたか。

そりゃそうか。』

ジグルドは腕を組みながらニカッと笑った。


「俺の魂にはあなたがいると

聞いています。

理由とか知ってたりします?」


『そうだよな。気になるよな。

どこから話せばいいか。』

ジグルドは頭に手をやり

考え込むような仕草をすると

口を開いたー。



『ジグルド!!お前!!大丈夫なのか!!』

寝ているジグルドのもとへ

うるさい声と共にやってきたゼール


『うるさいぞ。ゼール。』

ベッドの上であおむけに寝ているジグルドは

よぉと声を出すように片手をあげる。


『よくわからない奴に襲われたと言っていたが

傷は大丈夫なのか??』

少し声のトーンが下がり

心配そうに見つめるゼール。


『傷はほとんどありません。

問題なのは魂にまで

傷がついている事でしょうか。』

巷では聖女と呼ばれている女性

ルナリア=クラインが

ゼールの後ろから

入ってきた。


『魂に傷?、、、それって、、、。』

ゼールがまさかと言う顔を浮かべる


『聖剣でしょうね、、、。』

ルナリアが顔をしかめながら言う。


『大体、今回の件は不思議な点が多い。』

ルナリアと一緒に入ってきた

ダグラス=ゾリュートが

会話に入ってくる。


聖剣を使えるのは勇者だけだ。

ジグルドが聖剣に傷つけられる

ということは勇者による攻撃と考えてもいい。


『だが、勇者はその時ダンジョンだ、、。

もう一対の聖剣があると考えた方がいいな。』

ジグルドが発言する。


『勇者が二人など、、聞いたことありません。』

ルナリアが困惑の表情を浮かべる。


『だからこそ!謎なのですよ!』

ジグルドがこんな状態なのに

目を光らせ興奮を抑えきれないダグラス。


『何がともあれ気を付けなければならないな』

ジグルドたちは今後について話し合うのだったー。



時は少し変わり

『この剣が俺の魂を切ったのか。』

ジグルドはシンプルだが

存在感を放つ剣を見てつぶやいていた。


『聖魔星剣レヴィルエクスと呼ばれているらしい。

聖剣でもあり魔剣でもある。アーティファクトだ。』

ルミエに言われほ~と声を上げるジグルド。


『こいつを持っていたやつはどうした?』

ジグルドに質問されルミエが言葉を返す。


『死んでいたそうだ。ジグルドから相談され

あの時に関与がありそうな者達を追っていたが

ある一人がこれを持って死んでいたそうだ。』

ジグルドがまさかと思い剣を放すが

レヴィルエクスは浮かんでジグルドの周りを

ふわふわと漂っていた。


『これは、死んでいたやつの日記だ。』

ルミエから古ぼけた手帳を渡され

中身を見るジグルド。


『嘘だろ、、、。』


その中身は驚愕のものだった

どうやら死んでいた者は

ジグルドを直接切った者ではないことが分かったが

問題なのはこの剣の特性と言うか

能力だった。


『気に入った者の魂を喰らい。

子孫に気に入った者の魂を与えるだと、、、。』

どういう原理かは知らないが

この剣に気に入られたものしか

この剣を使うことができず

つながりを持つ者要は

子孫に魂を分割させるということが書いてあった。


『この者は研究をしていた者みたいだ。

入手経路も何もわからんな。』

ルミエが困惑の表情を浮かべる。


『これは、理を変える剣だ。

おぬしの体はもしかしたら

人ではなくなっているやもしれん。』


『まさか、子孫に俺の魂が入るなんて。

儀式でもしない限り入らんだろうよ。』

ハハッと乾いた笑いを出すジグルド。


『そうならよいのだが、、、。』

ルミエは心配そうにジグルドを見ていたー。



それから少し経ったある日

『君の剣、特殊なのは知っているよね?』

夢の中か意識の中か

ジグルドは暗闇の中にいた。


『だれだ、この剣を知っているのか。』

ジグルドは暗闇の声に問いかける。


『聖魔星剣レヴィルエクス。その剣は

今君と繋がっている。』

ジグルドの問いには答えないようだ。


『レヴィルエクスは特性上

一人のものにしか持てない。

そう作ったからね。

その代わり爆発的な力を発揮する。

に英雄が使っていた剣だ。』

どうやら話しかけているのは

この剣の作成者らしい。


『だが、奴は禁忌を犯した。』

怒気を含んだその声にジグルドは身震いする。


『奴はその剣と人の魂を

融合させてしまった。そして

もう一つの力を目覚めさせてしまった。』


ジグルドの頭に浮かぶそれはなんだ?

という質問に答えるように


『魂の繋がりだ。君の魂と

この剣の魂は繋がりあい。

君が求めようと求めなくても

この剣はお気に入りの君の魂を分割し

子供に分け与える魔法印を刻む。

この剣は寂しがり屋だからね。』


ジグルドにはそんな馬鹿な事

あるわけがないと考えていた。


『この剣を使っているとき

左胸を見てみると良い。』


『君の左胸には印が刻まれている。

もし、君の魂を分けられた子孫が

レヴィルエクスを持っているなら

確かめようはあるのだが、、、。

その時に君はもう、、。』


確認しようがない。

ジグルドはそう考えていたー。




『俺にも理由は分からん』

ジグルドの説明を聞き

ジークは困惑の表情を浮かべた。


「レヴィが寂しがり屋で

誰か一人に使われて終わりが嫌だから

ジグルドさんの魂を入れ込んだ俺に

使ってほしいってこと?」


『俺も、そんな馬鹿な話があるかって

思ってたんだけどな、、。』

頭を掻きながらジグルドが言う。


「レヴィ、来て。」

ジークが声をかけると

瞬時に出現し

仕方ないじゃん!と

少し怒ったような感情を届けるレヴィ


ジークは着ていた上着を脱ぎ

レヴィを持つ。


心臓がある左胸を見ると

ルミエラが隠蔽のエリアに

入るときに認証した

魔法陣のような

模様が浮かび上がる。


『俺の胸に合ったのと同じ模様だ。』

ジグルドの発言により。


レヴィの力によって

ジグルドの魂がジークに入り込み

認証をしているのだと理解した。


『やはり、ジークには

魔法印が刻まれていたか。』

ジグルドは考え込むような

仕草をする。


なぜ、ジークなのか

ジークも考えていた。


カナンでも先代でも

これまで刻む者はいたはずだ。


なぜ自分なのか

考えを深くしようとすると。


『ジーク。今の時代に勇者はいるか?』

考えがまとまったのか。

ジグルドが質問してくる。


「勇者は発現したよ。」

ついこの前四肢を切り飛ばした

男を思い出す。


『対となる聖剣。抑止力か。』

何やらジグルドは考えて

こちらを見て発言しようとするが


透夜ジーク君。何やら外が騒がしい。

話し中悪いが

戻ってきてもらえないかのぉ』

世界樹の言葉により

話は遮られた。


『お、何か困りごとか?

一先ず、話はまた今度だな。

俺もお前の中に居る。

また、話そう。』

ジグルドはジークの左胸に

拳をトンとぶつけた。


『レヴィルエクスは

お前の力になってくれるはずだ。

俺の魂も入ってるしな。』

ニカッと笑い

存在が薄くなり

光とともに霧散する。


意識が引っ張られるような感覚に

ジークは気分が少し悪くなるが

気づくと世界樹の前に立っていた。


『すまんの。話し込んでいたのに。

それに、神戯の狭間もまだ途中だというのに』

世界樹が申し訳なさそうに話しかける。

あれで終わりではなかったのかと

ジークは思ったが


「大丈夫、それより、なにが??」


『悪しきものが

エインダーデへと入り込んだみたいだ。』

世界樹の声色には怒気を含んでいた。


「わかった。様子を見てくる。」


『頼んだぞ。透夜ジーク君。』


ジークは階段を駆け上がったのだった。


小説フォロー1000人突破!!

PV10万越え!!

ありがとうございます!!

GWですね!!告知します!!

かねてより検討しておりました。

サクリファイスロード(悪リラ原作)を

SSとして4/27~5/6の期間中

進行するお話とは別に

投稿いたします。

(SSの更新は不定期に投稿します。)

SSってショートストーリーの略だけど

筆者のSSはシークレットストーリーに

するつもりです。

各々の人物に焦点を当てた

お話になると思うので

お楽しみいただければ幸いです。


いつも、応援、コメント

ありがとうございます。

フォロー、レビューなども

ありがとうございます!!

今後も頑張りまっす!!











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