第50話 悪しき者たち(2)



男の声に待機していた全員が

そちらへ向く。


「ありゃ?気づいてなかったか?

いらんことしたな。」

頭を掻きながらけらけら笑っている

ひげを生やした男。


「何者だ。そして何用で参った。」

アリアが男をにらみは発言する。


「あ~、名前はグリウスだ。

用はエルフの捕獲と世界樹にちょっとな。」

悪びれもせずにニヤニヤとした顔をする

グリウスと名乗った男。


「単身で何かできると?舐めるな!!」

アリアの発言に

魔法を展開するエルフたち。


「はっ!!馬鹿が!!」

グリウスは地面に手を付ける。


不可侵イージス


グリウスが発言したと同時に

エルフたちの魔法が霧散し

驚愕の表情が浮かんでいた。


「おい!あとはいいんだろう?」

グリウスが後ろを向き

何もない空間に声をかける。


だが、グリウスの言葉が終わったと同時に

200人ほどの集団がいきなり現れる。


「そんな騒ぐなよ。グリウス。」

集団から離れて歩き出しグリウスに近づく男


男は一本の腕とそれに繋がれた魔石

そして魔石に繋がれた心臓と思わしき

異形のものを手にしていた。


「初めまして。俺はザイード。

あ、これは用済みだから返すよ。」

そう言って異形のものを

アリアたちの前に投げつける。


「まさか、、これは、、、。」

アリアが憎悪と悲しさの入り混じった目で

ザイードを睨む。


「そう!これは、ジグ?ジジ?ジズ?

だかっていうエルフだったものだよ。

エルフの認証は大変だからね。

言うことを聞いてくれれば良かったんだけど。」

二ヤァと笑みをこぼすザイード


エルフの里へと入る際に行われる認証は

個人に別々の印が刻まれる

それは刻まれた者の魔力と

手に刻まれる印とリンクしており

偽造防止に役立っていたはずなのだが

この者らはそれを掻い潜る為

非道なことをして

やってのけていた


「こんな、、むごいことを、、。

許されることではないな。」


「はぁ?何睨んでんだよ?

もう魔法が使えない

エルフなんざ何もこわかねぇっての。」

ザイードは笑っていた。


「魔法が使えないお前らに抵抗できるかな?」

二ヤァと笑った後


「おい!お前ら!

エルフは生け捕りだ!

抵抗するものは痛めつけてもいい!」

グリウスの発言により

200人ほどの集団が一気に動き出していたー。



場所は変わりルミエラ一行は

奇襲を仕掛けていた。


「エリス!!あの魔法は使うなよ!

ジークがいなきゃ避けられねーからな!」


ジェイドが盗賊団たちを

切り倒しながら叫ぶ。


「分かっているわ!!」

エリスも手を前に出し魔法を展開し

合成魔法

氷結の雷アイスボルト

を発動し盗賊たちを攻撃していく。


「そんな危険な魔法を持っているのか。

これが終わったら見せてもらおうか。」

ルミエラも魔法を展開し

地面から出した太い蔦で

盗賊たちを締め上げていく。


「おい!あれを使え!!」

盗賊の一人が声を上げ


集団の中の一人が

何かを地面に突き刺した。


「え?!なんで?!」

エリスは展開していた魔法が霧散し

それ以降魔法が発動できない状態に

なってしまい困惑していた。


「まさか!これは。」

ルミエラが驚愕の表情をし

地面に刺されたものを見る。


「まずい!あれが起動している限り

魔法は使えない!!」

ルミエラが二人に叫ぶ。


「ほぉ、良く知っているな。」


後ろから聞こえた声に

ルミエラは振り向こうとするが

衝撃により吹き飛ばされ

体を木に打ち付ける


「ぐっ。」


「はじめまして、元女王ルミエ

俺はルイン。この国は我らが頂く。」


ルミエラへと歩くルインと呼ばれた男。

それを遮るように

ジェイドとエリスが立つ。


「なんだ、人間もいるのか。

情報にはなかったな。

も適当だ。」

はぁ、とため息をついて

ジェイドたちを見るルイン


「お前ら邪魔をするな。

用があるのはこいつと

世界樹だ。」


「お前らは何者なんだ。」

ジェイドがルインへと質問する。


「めんどくさいな」

ルインがそう言うと

ジェイドとエリスは吹き飛ばされ

ルミエラと同じように

木にたたきつけられる。


「そんなこと、どうでもいいだろう。

俺らが何者かなんてお前らには関係ない。

おい、こいつらを殺されたくなかったら

ついて来い。ルミエ」

ルミエラをにらみつけながら

ルインが話す。


「まて、、、、。」

ジェイドが木を支えに

片手をつきながら立ち上がる。


横をちらりと見るジェイド

エリスはピクリとも動かないので

気を失っているのだろう


「ほお、なかなかやるな。」

感心したような表情で

ルインはジェイドを見ていたのだった。


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