第44話 おいおい、気になる


ジーク達は

世界樹の間から離れ

階段を上った後

近くにいた使用人から

部屋へと案内されていた。


(なんで名前を知っていたんだ。)


先ほどの世界樹との会話

ジークは部屋に入ってから

立ち尽くし思考を加速させる。


(少年と青年とジグルドさんがいる、、、か)


少年と青年の見当はつく

一つは前世の自分。

もう一つは本来のジークフリード

そしてご先祖のジグルドさん。


(世界樹様には何が見えていたのか。)


記憶、はたまた

魂の記憶と呼ぶべきものがあるというなら

それに近いものを見たのだろう。


(神戯の狭間か。

神の悪戯か遊戯か)


ジークはそこに何かがあると考え

思考を手放し、ベットに腰かけた後

そのまま横に倒れる。


エルフの方々の話は

いまだに続いているらしく

ルミエラさんが言うには綺麗に

半分に割れるといったところらしい


(父上のゆっくり休みなって言葉

全然守ってないなぁ。)


ジークの瞳が重くなり

暗闇へと意識が沈んでいった。


「ジーク、、、、、きて。」

「ん、んぅ。」


「ジーク、起きて。」

意識を手放していたジークは

うっすら目を開ける。


目の前にはエリスがベットに片手をつき

ジークを起こしていた。


「ありがとうエリー。

少し寝ちゃってたみたいだ。」

目を開け笑みを向けながら

ジークは目を覚ます。


「どうやら話し合いは

終わったみたいなの。」


「そっか、また謁見の間に行けばいいのかな?」


「それが、、、、。」

エリーはちらっと

ジークの部屋の扉へと視線を向ける。


その瞬間に扉が開き

わらわらとエルフの人達が

入ってくる。

中にはクルズさんもいた。


「「ジークフリード様!!私達を

アルカナイン公爵領に

連れて行ってください!!」」


全員が片膝をつき

頭を下げていた。


ジークは何がどうなっているんだと

頭を抱えてしまうのだったー。


時は数刻前

ジーク達が世界樹へと向かっていた時

建物の会議室にはエルフの各々が集まっていた。


「先ほどのルミエラの話だったが

皆はどう思う?」

アリアから発言する。


「断固反対です。停滞とは

言い換えれば平和そのもの

今の現状に何が不満があるのでしょうか。」

ルイは反対派だ。

ルイの取り巻き達も反対のようで

頷いていた。


話は各々に広がり

ざわざわとしている中


「私はそうは思いません。

彼の才能は我らに匹敵します。

私はルミエラ様と彼に賛成だ。」

クルズは賛成派のようだ。


「しかし、交流など。

現在隠蔽されているこの国を

安易に表に出すべきではないと思うがな。」

別のエルフが発言する。


「そうです!デミの言う通りだと思います!!」

ルイは先ほど発言したデミに便乗した。


「ならこういうのはどうだ?

希望者をアルカナイン公爵領に

住まわしてもらうというのは。」

クルズの席の横に座っていた

ザイルが発言した。


「確かに、この国の秘匿性も生まれ

交流という意味ではいい案だな。」

アリアが納得の表情をした。


「しかし、同族を危険に晒すなどー」

ルイが発言をしているとき


会議室の扉をノックする音が聞こえた。


「む、もう終わったのか。」

アリアが独り言を言うと


扉が開きルミエラが会議室へと入ってきた。


「話し中にすまない。

伝えておきたくてな。」

ルミエラの視線とアリアの視線がぶつかる。


「世界樹様はジークは

悪ではないとのことだ。

後ほど自分で確認してもよい。」

ルミエラがアリアに向け言った。


「そうですか。」

アリアは腕を組んだ。


「それと、世界樹様が

出入りの自由許可を出した。

神戯の狭間にも行くようにと。」


ルミエラの言葉に

数名のエルフが椅子から立ちあがり

驚愕の表情を浮かべていた。


「まさか、世界樹様が、、、。」

クルズは言葉を発し

横にいたザイルも驚いていた。


世界樹に出入りを許可されたこと

これは今現在は

ルミエラとアリアしか許されていない

それを世界樹に認められたのだ。

そして、神戯の狭間

これは洗礼に近い

ルミエラとアリアも行ったことがある

世界樹とのつながりを強めること

他にもあるが

それを許可されたということは

ジークフリード=アルカナインは

エルフの国の王となれる資格を得る

それを世界樹が良しとしたのだ。


アリアは驚きの顔を浮かべた後

フッと笑い


「これは、困ったことになるな。」


激動の時が始まるのだと

世界樹の言葉の意味が分かる者達は

理解するのだった。



きゃー

ジークフリード陛下よ~


なんてね。

ジークは運がいいのか悪いのか

いないところでよくわからないまま

物事が進んでいきますね。


いつもお読みいただきありがとうございます。





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