第41話 おいおい、これって、、。



馬車、と呼んでいいのだろうか

アーティファクトから降りた

四人は森の中に立っていた。

ルミエラはゲートを開き

アーティファクトをしまっていた。


「本当にこんなところにあるのか??」

ジェイドが独り言をつぶやく。


「まぁ、見ていてくれ。」

ルミエラがジェイドに言葉を返し


片手を目線の高さまで上げる。

ルミエラの魔力を感じた

ジークは目を離さずに様子を見ていた。


何もないと思っていたルミエラの手の先が光ると

空間に幾何学模様と文字のようなものが組み合わさった

いわば魔法式の展開に似たものが展開され

円が広がっていく。

その模様はルミエラの片手の甲にも浮かんでおり

ジークはダンジョンで刻まれた自分の印と

通じるものがあると考えていた。

少しの時間で消えた模様を除くと

綺麗な森が広がっているのが見えた。


「私は最後に入ってこれを閉じるから。」

ルミエラがそう言って

もう片方の片手で入れ入れと

ジェスチャーをする。


三人は円をくぐり

森へと足を踏み入れた。


「空気が綺麗。」

エリスが深く息を吸っていた。


「体も軽いな。」

ジェイドも息を吸い

肩をぐるぐる回していた。


ジークも空気が変わり

神聖さすら感じる森に驚愕していた。


「これが、エインダーデ。

ようこそ、わが故郷へ。」

円を閉じたルミエラが

声をかけてくる。


「ここ、すごいところだね。」

ジークが周りを見渡した後

ルミエラを見る。


「気に入ってもらえてよかった。」

優しく笑うルミエラ。


「ここからは徒歩だ。

そう遠くないし。あっちから

来るだろうからな。」

何かを言っていたが

よくわからない三人は

頷きルミエラに付いて歩きだす。


「さっきの円を作るとき

手の甲に模様が浮かび上がっていたよね。

あれは何??」

ジークがルミエラに質問する。


「あれはこの空間に出入りするため

手の甲の印と認証をしているんだ。

そのために、古郷から離れる者たちには

印が刻まれる。各々違う印がな。

印がなければ入ることは出来ない。」

ルミエラの回答に

ジークは思考に落ちる。


マスターダンジョンの始まりの間と同じ機構

ミラちゃん(ダンジョンコア)が言っていたことと

ほとんど一緒だ。

あの空間を解析したのか

始まりの間を作った何者かがいるのか

ジークは歩きながら考えていた。


「、、、!、、、まれ!!」

不意に聞こえた大きな声に

ジークは歩みを止め地面を見ていた

目線を上に上げる。


視線の先には

騎士と思われる装備をした

エルフの集団がいた。


「何用でここに来た?

我らの同族も見受けられる。

よもや、ここによからぬことを

しに来たわけではないよな??」


銀色の部分と金色が混ざったような

髪の色をしている女性に

厳しい視線を向けられながら

問われる。


何を言うか考えているジーク達に

ルミエラが手を横に出し

ここからはルミエラが話をしてくれる

と思った三人は口を結んだ。


「久しいな、アリア。

お主も気付かんとは。

修行が足りないんじゃないのか?」


ルミエラが指を

パチンと鳴らす


金色の髪は銀色へと変わり

中性的な顔立ちは

絶世の美女と呼ぶにふさわしい

外見へと変貌したルミエラ


横で見ていた三人は

「「「え?!」」」

と小さく声を出し


「失礼しました!!

ルミエ=エラクゥス=エインダーデ女王陛下!!」

エルフたちは片膝をつき

アリアと呼ばれた女性は口を開いていた。


「全く、印で誰であるか分かるだろうに。

確認してこなかったのか?

それに元だ。今はアリアだろうに。」

ルミエラは呆れた顔で笑っていた。


ジークは口をへの字にしたまま

目を見開いていた。


その様子を見たルミエラは

「フフッ、その顔が見たかったのだ。

だましていて悪かったが。

この感覚は勝利の美酒に近いな。」


ジーク以外のジェイド、エリスも

目を見開いていた。



エラクゥス様発覚!!

ジークの驚きようはとんでもないでしょうね。

皆さんには度肝を抜かれたor抜いた経験はありますか?


私は子供のころに

林から飛び出してきた猫に

びっくりして腰抜かして

数分立てませんでした。


腰砕けってああいうことを

言うんですかね?

(変な意味じゃないよ?)


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