第38話 おいおい、どうすんだよ



「待て待て、情報量が多すぎる。」

ジークの話を聞いたジェイは

こめかみを抑えていた。


「ごめん、いきなりすぎだよね。」

ジークはジェイへ謝るが


「ついていくのはもちろん構わねーよ。

だが、急だな。」


「ん~なんか変だったんだよね。」

ジークが思ったことを口にする。


「意外と昔の女だったりしてな」

ジェイがふざけるように言う。


「まさか~それはないでしょ。」

ジークはそう言いながらも

心に少しもやっとした感情が

出てきたため


(エリスがいるのになんでだろう?)


少し疑問に思うのだった。


しばらく歩いていると

王城が見えてきた。


「エリスはここにいるんだっけか?」

ジェイが嫌そうな顔をしながら

ジークに問う。


「そうみたい。

大丈夫入るわけじゃないから。」


エリスの用事は本来であれば

昨日終わっていたはずだが

公爵邸にはいなかった為

王城近くで待っている二人。


「あら?ジークにジェイド?

遅くなってごめんなさい。

用事は早く終わったのだけれど

陛下と宰相に捕まってしまって

ジークのことについて色々聞かれたわ。

あと、これ。陛下から渡してほしいって。」


ちょうどよく目の下に

うっすら隈を作った

エリーが出てきて

ジークに手紙を渡す。

この手紙は多分この前の件だ。

忙しくなる予感がしていた

ジークはこれ以上考えるのは

嫌だと異空間ボックスへと手紙をしまった。


ジークはジェイドに話したことを

もう一回エリーに話したー。


「なんというか。あなたって

本当に変わらないのね。」

エリーがジト目で見てきたため

ジークは頬を掻きながら謝った。


「行くのは構わないのだけど

何で急なのかしら?」

ジェイと同じく

エリーまで同じことを言っていたため

ジークは苦笑いで済ませた。


三人で歩きながら

公爵邸へと戻り

書斎へと入る。


未だにカナンとルミエラさんは

テーブルで話していたのか

紅茶には湯気が立ち上っていた。


「行くことは決まったのか?」

ルミエラが声をかける


「急でしたが

三人で行くことになりました。」

ジークが代表し答える。


「そうか。よろしく頼む。」

ルミエラが頭を下げたため。


「こちらこそ。相談に乗ってもらって

何もお出しできなくて申し訳ないです。」

ジークも頭を下げた。


カナンは一部始終を

怪訝そうな顔で見ていたため

ジークは少し気になったが


「父上。今日か明日にでも出立し

試験前には帰ってきます。」


「うん。気を付けてね。

ルミエラさん。息子をよろしくお願いします。」

カナンが頭を下げたことに

ジェイとエリーは驚いていた。


「うむ。ジーク。ここから

エインダーデまでは

大体1週間かかる。用意を揃えたら

公爵邸の門に集合だ。」

そう言いながら

ゲートを開きくぐっていった

ルミエラ


残された4人が思ったことは

((自由人すぎる))

ということだった―。



装備や支度などを済ませ

公爵邸の門の前に集まった三人と

カナンはルミエラの話で

盛り上がっていた。


「ルミエラさんって

父上と知り合いなの?」

ジークが質問するが

ややかぶせ気味に


「そんなことはないよ?

知り合いではないかな。」

カナンの引っかかる発言に

ジェイが


「昔の女か?」

突然の爆弾発言をする。

エリーはその発言を聞き

白けた顔でカナンを見る。


「違う!!僕はエミリー一筋だよ!!」

めったに声を荒げないカナンが

声を荒げていた。


「怪しい反応だな?怪物さんよ?

珍しいんじゃねーか??」

ジェイがニヤニヤしながら

カナンを見る。


「本当だって。」

カナンは会話を断ち切り

それ以降は終始無言だった。


「すまない。待たせた。」

ルミエラがゲートをくぐって

門の前に現れる。


「馬車は使わないんだよな??」

ジェイが質問するが


「使いはする。特別製のな。」

ルミエラがそう言うと

ゲートから

馬車と馬型のゴーレムらしきものを呼び出した。


「え、もしかして」


「「「アーティファクト?!」」」

ジーク、ジェイ、エリーのユニゾンが

公爵邸の前に響いた。


カナンはだれにも見えないことを

確認したのち

やれやれと手を少し上げるのだった。


ルミエラさん

急すぎですよ!!

カナンが珍しく

隠すのに手間取っていますね。

完璧な人などいない

ということでしょうか。


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