第29話 おいおい、知っているんだぞ?


「は?」

僕の口から出た低い言葉に

周りが少しぴりつく


「ゾカ、お前は

今なんて言ったんだ?」

少し黒い感情が僕から出始める。


ゾカは口を開けようとするが


その前に足をレヴィで切り飛ばす

だれも止めに入らないため

このまま続行しようとカナンを見る。


カナンはニコニコとしているため。

存分にやれと言う事なのだろう。


「さっきから屑、屑と、、誰の事なんだ?

自己紹介は済んだか?」

僕の言葉にゾカが口を開く


「あ、、あしが、、ぐ、、、ぅう。」

「貴様!!私の息子になんてことを!!」

今まで空気だったくせに

クズの親が出しゃばってきた。


「黙れ、騒ぐな。大人しくしていろ。」


ゾカとの話ができなさそうなので

完全なる回復オールオブヒールをかける。


「あ、、、が、、、うぅ、、、はぁ」

足が戻って安心したのか

ギアは強気な姿勢を出してきた


「貴様!!こんなことをして

ただで済むと思っているのか!!」

怒鳴り散らしているが何も感じない


(何もしてこなかったらまだ余地はあったのにな。)

ジークは少しの検討の後


ゾカとギアを見て


「ディアブロ」


僕がその一言を言うと

ゾカとギアは一瞬固まった。


「どうなったか知っているか?」


ギアはわざとらしい演技をする。

「ディアブロとは何のことだ?」


「まぁ、いいや。ディアブロは殲滅した。

あの人、だっけか?の計画は失敗だ。

俺がアーティファクトを手に入れたからな。」

そう言いながらゾカをにらみつける。


「グルブワ孤児院、ずいぶん立派ですよね。

子供たちはかくれんぼしたら楽しそうですよね。」

僕はここでゲームの知識を利用しカードを切る。


段々青くなっていくゾカとギアに

陛下が声をかけた。


「グルブワ孤児院?なぜそんな話が出てくるんだ?

おい、説明しろ。それにディアブロだと?

帝国の闇組織ではないか。」

陛下が静かな怒気を含みゾカとギアに声をかける。


「この屑のごまかしに惑わされては

いけません!!陛下!!」

そう言いながら焦っているギア。


「グルブワ孤児院2階のゾカ専用の部屋

机の引き出しから3番目の奥にあるスイッチを押すと

隠し扉が開く。お前達はそこで何をしている?」

ゲームの知識を使い捲し立て

ついでにゾカとギアを重力魔法で拘束する。


陛下が

「おい!カナン!

お前の息子が言っていることは本当なのか?!」


「調べはついていますよ。陛下。

僕の息子はすごいでしょ?」

そう言いながら父上は

紙を一枚陛下の前に出した。


「人身売買に帝国の犯罪組織ディアブロとの癒着だと!!

グルブワ公爵家が関与していたとはな!!」

カナンが集めていた情報をみて陛下が騒ぐ。


「ジークフリードの件は双方痛み分けとする!!

お前らはこれから

ジークフリードにちょっかいをかけるな!!

分かったな!!

特にアリーシャ!!

お前は金輪際ジークフリード

との接触を禁止する!!

父親に今回の件は報告する!!

お前は娘の育て方を間違ったとな!!

ベリル!!貴様も勇者の手綱ぐらい握っておれ!!」


そう言いながら父上と僕達三人とゾカ、ギアを残し

退出させる。ベリルが深く頭を下げ

今だ睨みつけている主人公を引っ張って

退出する。

衛兵もついでに呼んでおいたので

大丈夫だろう。


「それで?何か申し開きはあるか??」

ブライドはゾカとギアに厳しい目を向ける。


「陛下!!その情報はでたらめです!!」

重力魔法を振り解く動きをしながら

ギアは訴えるが。


「出鱈目も何もカナンによる報告書が

あるんだが??これが嘘と申すか??」

ブライドはこちら側よりだった。


「そ、それは、、、。その。」

何やら口ごもっているギア


「はぁ、もうよい。お前らは幽閉だ。

無実ならすぐ解放してやる。

おい。」

ブライドはどこかに声をかけると

ブライドの影がうごめき。


「今すぐこいつの孤児院を調べろ。」

そう言うと返事をするように

影が揺らぎ気配が消えた。


「さて、今回の件はこれで終わりだが

あまり暴れてくれるなよ??

全てかばうことは出来ぬぞ?神童よ。」

圧力をかけられたジークは冷や汗を流し

頷いた。


ゲームで描写されたブライドと

今のブライドが違うどころではない。

ミハイルさえも印象が違い

ジークは困惑していた。

ブライドに至っては圧力までかけてくる始末だ

そろそろアフターストーリーが始まる時期だ

そのころには既に傀儡となっていたはずだ。

何が起こっているんだ。

どこかで分岐が変わった?

ジークは脳内で答えを出そうとすが

ブライドにより思考は断たれた。


「ただ、何も罰がないのも

反感を買いそうだからな。

今日から一週間謹慎を言い渡す。

パーティーも出席せずに帰ると良い。」

ブライドはそう言うが

実質無罪ということらしい。


「はい。この度は

ありがとうございました。」

礼をして退出しようとすると


「こちらから、文を出す

来てくれるか?」

ブライドから質問されたため。


「即座にとは言い切れませんが。

参上します。」


扉を開けて出ていくと

扉の向こうから

明るい笑い声が聞こえてきたのだった。



応援、レビューありがとうございます!

気づいたらフォロー400人突破してました!

ありがとうございます♪

これからも面白くなるよう

視野を広げてきます♪






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