第30話 おいおい、最高かよ


ジーク達三人は会場を後にし

馬車に乗り込んでいた。

開催場所はアルカナイン公爵領に

建てられた建物の為。

歩いてもよかったが

体裁を気にし馬車での帰宅となった。


(ゲームと違うことが多すぎる。)


ジークは前世の記憶を頼りに

出会った人物たちを思い出していた。


ブライドといいミハイルといい

あんな人物だとは思っていなかったため。

考えを変えなければいけなかった。


先のダンジョンすらも

本来のルートとは違っているため。

これから何が起きるかはわからなく

なってしまったのかもしれない。

ある程度の出来事は概ね

ゲーム通りに進むだろうが

ジーク自身の判断と

決断を重視するように

行動しなければならなかった。


思考の沼にはまりしばらく

考えていると

馬車が止まり扉が開く

公爵邸についたのだと思い

頭を下げ、降りて前を向くと


使用人たちが一斉に並び

出迎えてくれていた。


「「ジークフリード様!!この度は!!

ダンジョン踏破おめでとうございます!!」」


一斉に頭を下げると

ダイニングまで通され

会場よりも豪華な食事が

並べられていた。


「カナン様よりジークフリード様は

早めに帰ることになるだろうから

おもてなしをとのことでした。

是非ごゆっくりおくつろぎ下さい!!

私達もご一緒してよいそうなので

お言葉に甘えさせていただきます!!」

そう言ってひかれた椅子に座る


カナンが気を使ってくれたことを

嬉しく感じると同時に

ここまで考えていたカナンに

頭が上がらないと思うジークだった。



美味な食べ物やエリーとジェイ

それにみんなで食べる食事は

温かく張り詰めた心を癒してくれた。


盛り上がっている中

ジークは夜風を浴びるため

バルコニーへと出る。


(みんなを守らないとな)


外を見ている状態から

体を動かし

みんなを見る。


(絶対に変えて見せる。)


笑顔が絶えないみんなを見ながら

決意するジークに

近づいてくる影が見える。

ジェイドだった。


酒の入ったグラスを片手に

バルコニーに出てきたジェイドは

近くに来て手摺に体を預ける。


「ジーク、ありがとうな。

命のことも、こんな楽しいことも

それに俺に夢を見させてくれて。」

黄昏たような雰囲気で

話しかけてくるジェイド


「お礼は受け取るよ。

でもみんなのおかげだよ。

僕も今この瞬間、すごく幸せだよ。」

みんなが笑って、楽しく過ごせる。

それが何よりも嬉しかった。


「なぁ、ジーク」

ジェイドはグラスを口に運んだあと

ジークに呼びかける。


「ジークはこれからどうするんだ?

何をしていきたいんだ?」

質問が来る。


「まだわからないかな。

みんなを守る今はそれだけだよ。

それに

これから一緒に探してくれるんでしょ?」

ジークはジェイドを見る


「ッたりめーっだ。お前さんについていく。

俺はそれだけだ。」

ジェイドは拳を作りジークに向ける。

ジークも答えるように

拳を作りコツンと合わせる。


ジェイドはニカッっと笑うと

バルコニーから去っていった。

扉を開け中に入るジェイドと

入れ替わるような形で

エリスがバルコニーへとやってきた。


「ジーク、私からも。

ありがとう。

今、私は楽しくて

幸せですごくうれしいわ。」


グラスを上に上げ一口飲むエリス。


「こちらこそ。ありがとうエリー

君のおかげで今の僕があるんだ。

エリーにも感謝しても足りない位だよ。」


エリスはフフッと

口を手で隠し上品な笑みを浮かべる。

エリスからの言葉はなく

木々や雑草が少し揺れる音

ワイワイと聞こえる声

とても心地いい空間が広がっていた。


「あのね、ジーク」

エリーが意を決したような顔で

近づきジークを真っすぐ見つめる。


「ジーク、私、その。」

顔を赤らめながら何かを言いたそうな

エリスを見て。

ジークは先んじて行動しようと

エリスの手を握る。


「エリー、その前に

僕からいいかな??」

エリスの体が少しびくっとするが

ジークを真っすぐ見つめる。


「エリー、今回の件で

改めて思ったんだ。

僕は君が好きだ。君と一緒にいたい。」

ジークの思いをぶつけられた

エリスは顔を真っ赤にし。


「と、年上である私から言おうと

思っていたのに、、。」

残念そうな顔をするエリス


「あはは、こういうのは

僕から言った方がいいと思ってね。」

そう言いながらジークは微笑んだ。


エリスはジークの手を放し

ジークに抱き着くと


「私も大好きです。一生おそばに、

運命を共にします。ジーク」

二人の思いが通じ合った瞬間だった。


ジークもエリスを抱きしめ

しばらくしたのち


どちらからともなく離れ

顔を近づけあった。


顔を離した後

ジークはエリスの手を取り。


「踊っていただけませんか??エリー」


「はい、喜んで。」


二人のダンスは観客のいない

夜のバルコニーで輝いていた。




ジーク、エリー!!

おめでとう!!

末永く爆発しやがれください!!

(まだ未成年だから!今はお付き合いだけ!)

だけどジーク、君はまだ忙しいんだ

落ち着かせると思うなよ!!

うらやましくなんてないんだからな!!


いつもお読みいただき

ありがとうございます。

write、mindを合わせた一章?は

終了となります。

これからも続いていきますので。

今後ともよろしくお願いいたします!!

応援、フォロー

ありがとうございます!!

星もたくさんありがとうございます

元気百倍イルパンマンでお届けします。


1章人物紹介

この後に投稿します。












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