第15話 鏡乱の回廊(2)

ジークが初めての討伐を終えてから

かなりのハイペースでジーク達は進んでいた。


「ジーク、そろそろ休憩を入れよう。

疲れていないと思っても消耗はしている。」

ジェイの言葉を受けて三人は地面に座り

異空間ボックスから軽食と水を出す。


「鏡乱の回廊の最高到達点はどこだ?」

ジェイがエリーに顔を向け話しかける。


「カナン様に届いている情報だと20よ。

推定全層不明。予想は30。

あまり深くはなさそうだけど

20を超えてからが問題となっているわ。」


エリーは異空間ボックスから紙を取り出し

何かを読んでいる。


「セーフゾーンは5の付く数字か?

10層ごとにボスか?」

ジェイは何やら気になる様子で尋ねた。


「今の5層で何も出て来ないのを見るに

セーフゾーンは5の付く層になっている

とみていいわね。

情報通りだわ。ボスは報告書通りなら

出てくるはずだけど。

どんなものが出てくるのかは載ってないわ。」


「助かる、エリス。

10層に向かうまでは分からねーか。」

ジェイは軽食を取りながら水を飲む。


「モンスターはそこまで強くなかったよね??」

ジークは水を飲んだ後二人に向かって話した。


「あぁ、不気味な程な。

未到達が信じられねぇくらいだ。」

「報告書だと20層から下には

行けないらしいわ。」


「行けない??なんでなんだろう。」


「21層に続く階段を下がっても

いつまで経っても行きつかない

と書かれているわ。」

「なんだぁ?めちゃくちゃなげー階段なのか?」

ジークがしかめっ面でエリーを見る。


「そこなのよ。これには、下がっている途中で

精神が錯乱するものが多発して。

引き返しているみたいだわ。5回もよ。」

片手の指を全部開いたエリー


「ルミエラさんが言っていたよね。

自分を映す鏡に気をつけろって。」

ジークは不思議な道具屋の店主の話を

思い出していた。


「モンスターは強くないがトラップが

厄介なダンジョンか。骨が折れそうだな。」


ジークはそこで違和感に気づく。

「でもおかしいよ。トラップが強力なら

なんでスタンピードが起きたんだろう。

起きたとしてもモンスターが強くないなら

そこまで被害はないはずなのに。」


「ジークの記憶では結構な被害だったのか??」


「少なくとも、ディアブロが入ってくるのが

分からないくらいには混乱していたし。

復興に結構な時間がかかっていたはずだよ。」


そして復興の最中ある事件が起きるんだ

だから絶対に阻止しないといけない。


「あのカナンが見落とすくらいには

被害はあったってことか。」

ジェイは腕を組み考え始める。


「もしかすると、スタンピードが

引き起こされるまで21層以降には

行けないのかもしれないわ。

力を蓄えているのよ。ダンジョンが。」

エリーが頬に手をつき悩んでいるような

顔をしている。


「考えてもしゃーねぇ。

ひとまずは20層に行くことを考えようぜ。」

ジェイはあっけらかんとして結論を出す。


三人は立ち上がり6層への階段を探した―。



6層へと下がった三人は

違和感を感じ戦闘態勢をとった。


向こう側から数えきれないほどの

狐と犬と猫を合わせたようなモンスターが

こちらへ向かってきた。


「モンスターハウスか?!」


「いえ、おかしいわ!!

スタンピードの前兆の可能性のほうが高いわ。

それに、あのモンスターは見たことがないわ!

新種の可能性があるわ!!」


「おいおい、勘弁してくれよ。」

はぁと息を吐いたジェイは身体強化を使い。

「ジーク、行くぞ」

ジークに合図をかけた。


向かってくる大群をジェイが薙ぎ払った後



「なんで、いきなり!こんなに!」

向かってくるモンスターを

バックステップなどで避けながら


水刃ウォーターカッター

レヴィルエクスを使い、討伐していくジーク。



「おい!エリス!!

これは報告書に書いてなかったのか!!」


身体強化を使い素早く敵に回り込み

首を切り落としていくジェイ。



「こんなこと書いてなかったわよ!!」


龍砲雷撃ドラゴンライトニングを使い

雷をモンスターの大群に走らせ続けるエリー。


「すでにスタンピードだぞこれは!!」

モンスターを減らしながら進んでいくジェイ。


「エリー!!あれ使っていい!?」

ジークはエリーに叫ぶ。


「今回だけよ!!

ダンジョンが崩落する可能性もあるのだから!!」


エリーのOKが出たところで

ジークは魔法を組み始める。


「ジェイ!!戻って!!」

ジークの言葉を聞いたジェイは

即座にジークの横に移動する。




天使が裁く光雨エンジーレイン



ジークの発動した魔法は

ジークから先のダンジョンの天井を

覆いつくすほど光輝き


光の雲の下にいるモンスターたちに

光の雨-レーザーを降り注ぐ。


「そっちはだめよ。ジーク、、、。

次からは何を使うか

確認しないといけないかしら、、。」


エリーは頭に手をやり苦い顔をするのだった。


ジーク、、、君はもう最強だ。

つよつよの証をあげるよ。

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