第13話 おいおい、なんでここにいるんだ


差し伸べられた手を握ったジークは

自分も自己紹介をする。

「初めまして、ルミエラさん。

僕の名前は、ジークフリード=アルカナイン。

ここの領主の息子だよ。

ジークフリードは長いから

ジークって呼んで下さい。

後ろにいるのは師匠でもあり

護衛でもあり仲間でもある

エリスとジェイド、僕の大切な仲間なんだ。」


「そうか、丁寧にありがとう。

まさか、領主様の息子だとは。失礼した。」

ルミエラは手を離すと頭を下げた。

「気にしないでください。

僕は子供なのでかしこまらなくていいんですよ。」


「助かる、話がそれてしまったが

その剣が気になるのか?ジーク」

剣を指さしルミエラは言う。


「ずっと視線を感じて。

悪い視線じゃないんだけど

すごく気になって気づいたらここにいました。」

ジークは素直にここまで来た道中を説明した。


「そうか、気になるなら持ってみるといい。

この剣は聖魔星剣レヴィルエクスと言う剣だ。」

そう言いながらルミエラは剣を持ち

ジークに渡した。


ジークが剣を持った途端、古びた剣は

ボロボロ崩れ、なくなってしまった。


「え?!あの!!すいません。弁償します!」

何が何やら分からないジークは

とりあえずなくなった剣の弁償を提案した。


「ふふ、実はこの剣には言い伝えがあってね。

その剣、実体を持たざるが

かのものの傍に生き続ける

といわれているんだ。

試しに名を読んであげな。」


ジークは言われるがまま

レヴィルエクスと名を呼んだ。


その瞬間とてもきれいな刀身を持つ

質素に見えるがどこか品のある剣が

ジークの手に握られた。



「わっ!!すごい!!綺麗な剣だ!!」

ジークは驚きながらも剣を褒めた。

その時、剣を伝って嬉しい感情が

心につながれたように届いた。


「え?、、、、」

ジークは不思議な力に戸惑っていた。


「ふふ、君は表情が豊かなんだね。

その剣は生きているんだよ。」

ルミエラの発言にエリーとジェイが声を上げた。


「「それってつまり」」

「「アーティファクト(なの)(か)?!」」

ユニゾンが続く二人だった。


ルミエラに剣の説明をされた後


ダンジョンに入る話をしていた。


「そうか、鏡乱の回廊に行くんだな。」

ルミエラの表情が少しだけ険しくなった。

「あのダンジョンの危険なところは

モンスターではない。

鏡と名のついている通り自分自身を映す鏡だ。

自分に負けてはいけない。」

ルミエラはそう言うと

奥の机から首飾りを三つ取り出して

ジークに渡した。


「われらに伝わるお守り、世界樹の祈りだ。

何かの際には力になってくれるだろう。

世界樹の導きがあらんことを。」

そう言いながらルミエラは手を合わせ祈った―。



「何から何までありがとうございます。

次に来たときはお土産いっぱい持ってきますね!」

ジークはルミエラにお礼を伝え

手を振りながら三人はお店を後にする。


「すごいものもらっちゃったな。」

ジークは呼び出したレヴィルエクスを見ている

「俺の弟子はとんでもねぇやつってことだ。」

「アーティファクトを取りに

ダンジョンに行くのに

アーティファクトをもらっちゃうだなんてね。」

エリーとジェイは二人して

柔らかな表情を浮かべている。


「明日からだね。ダンジョン。

どんなところなんだろう。」

ジークはゲームで知りえなかったダンジョンに

思いをはせる―。




三人がいなくなった道具屋には一人

ルミエラだけが残っていた。


「まさか、あいつの子孫が来るとはね。」

ルミエラは入れたばかりのハーブティーに

口をつけ息を吐く


「ジグルド、お前の力は

あの子に受け継がれたようだ。懐かしかったよ。

お前と見まがうほどだった。あの剣も喜んでいた。

また来てくれるのを待つとしよう。」


かつての友を思い。

出た言葉は精霊の祝福を含んでいた。


ルミエラは謎ですね。

謎多き人はモテるというので

ルミエラは当時モテたんでしょう。

お待たせしました!

ダンジョン探索始まります!

フォローや星等

いつもありがとうございます♪

これからも楽しんで頂けるよう

頑張ります(ง •̀_•́)ง


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