第5話 各々の事情~エリス=ベリクリン~

エリス=ベリクリン



最初は公爵の言葉からだった。


「エリスちゃん、良かったら僕のジークに

魔法を教えてあげてくれないかな?」


柔らかな顔その顔の裏に何があるか悟らせない表情

「怪物」巷ではそういわれているカナン公爵


「その話はもう少し先だったのでは?

それにエリスちゃんなどと、、、。

一応公の場ですので。」


私は疑問を素直に口にし不満も口にする。


「ん?公の場なんて陛下の前くらいだよ!

気にしない気にしない。

ほんとはね?そのはずだったんだけどね

ジークが早めがいいと言ってきてね。

あー、仕事は大丈夫!

エリスちゃんの仕事は無くすからさ。

うちで休暇がてら

ジークに教えてやってくれないかい?」


公爵といえども

宮廷魔法師団長の仕事を無くすなどは

不可能に近い。

いったいどれほどの力が

この男にあるのか想像もできなかった。


「わかりました。

公爵のお願いであれば

断るわけにはいきませんし。」


「ん?忙しいなら大丈夫だよ?

でも、うちのジークは天才だから!

絶対いい経験になると思うよ!この前もね!」


そう言いながらカナンは張り付けた笑顔から

親の顔になりとてもやさしさあふれる

父親になった。

ほんとにこの親バカはとエリスは思うのであった。



初めて会ったジークの外見は非常に優れていた。

温和そうなそれでいて凛としており

10歳には見えない出で立ち

オーラというものがあるのならば

ジークのオーラは金色で

周りを包み込むほどの大きさだろう。

エリスはそう思った。

そんな子供に少し

いたずら心が芽生えてしまったエリスは

驚かしたい思いを消すことができなかった。

自分が落とされるとも知らずに。



エリスは講義中もジークの才能に驚いていた。

教えたことは何でも吸収しできてしまう。

天才、神童そんな言葉で言い表せられない

とんでもない逸材だった。


「ジーク様、ジーク様は

魔法の発動の際どのようなイメージなのですか?」

あまりにも綺麗に発動する魔法を見ながら

私は質問した。


「ん?イメージか、例えば今出している光球だと

フィラメントに電気が加わり発熱することで

白熱が起こるから

そのイメージを持ってやっているかな?」


「ふぃら?めんと?光なのに電気?、、、雷?

なんですか?」

よくわからない単語や

なぜか出てくる他の属性の話など

私が知らないものでいっぱいの回答だった。


「あ、そっか。わからないか。えーと」

ジーク様はその後本で見た知識を

自分で紐解いて考察したことを

私に教えてくれました。

水は何でできているか火はなぜ燃えるのか。

これまでの常識、概念を覆す。そんな話


ふとカナン公爵の言葉がよみがえる。


「でもうちのジークは天才だから!

絶対いい経験になると思うよ!」


宮廷魔法師団長になってから

これといった目標というものが見えず

職を辞して旅でもしようか

と思っていたエリスに

新に目標ができる瞬間であった。


ジーク様と一緒にいたら

私が知らないことを知れる。

この方についていきたい。

旅をして知らないことを知るより

この方がどうなるかずっとおそばで見ていたい。

すっと一緒にいたい。

そんな欲求が膨れ上がる。


「まさか、カナン公爵はここまで考えて、、、」


張り付けた笑顔のカナン公爵を思い出し

寒気を覚えたエリスだった。


そして本来、ジークの師事を終わらせた後

勇者ー主人公の育成をお願いされたエリスは

そこで目標ができるはずだった。


エリスの未来はここで破綻した。

知識を得、講師の前倒し依頼をしたジーク

その未来は確実に変革をもたらしていた。


エリス、ヒロインか?!ヒロインなのか?!

どっちなんだい?!

(チョロインなんて言えない。可愛いから。)

好きな人いませんかね?!


お陰様で気付いたら総PVが100を超えてました。

皆さんのおかげです!!(第1目標でした!)

ありがとうございますm(_ _)m

応援、コメントくださった方

ありがとうございます。

フォローやコメント等など

どしどし募集中ですので気軽に接してください。

また、皆様に見ていただく機会を増やせる様に

もっと頑張ります💪

順位も前回より400位ほど上がりました。

感謝ばかりでありきたりですが

ありがとうございます!

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