第4話 おいおい、そう来る?

午前は魔法のさわりを教わって昼を食べた後

エリスとティータイムを楽しんでいた。

午後からは剣術と聞いていたが未だ講師は来ないのでゆっくりしている。


「エリーは毎回宮廷に帰るのか?毎回来るのは大変だろう?」

ふと気になったことを質問していた。


「いえ?カナン公爵からは住み込みでの提案でしたので

お言葉に甘えました。」


そういいながらティーカップに口をつける。


「そうか、ずっといるんだな。」

僕はエリーをどう守ろうか考えていた。

難しい顔をしていたせいか


「そんな嫌そうな顔をされては私であれ傷つきます、、。」

しゅんとしたエリーが声のトーンを下げて言ってきた。


いや違うんだ僕は君が大好きだから

これからのことを考えているんだ

いざとなれば全員で亡命してしまうのもいいな

そんなことを考えながらエリーの言葉に返答しようと

エリーのほうを見る、、、、


エリーは真っ赤になり俯いていた。


「ジーク様、その、告白はうれしいのですが。少し年も離れておりますし、、それに、、」

何やらごにょごにょと言っている。


「なに?!声に出ていたか?!あれは、その!」

まさかの内心の暴露により少し気まずい空気が流れる。


「コホン、私はずっとおりますよ。」

顔をまだ少し赤くしながら僕のほうを見るエリーは

天使のようで女神のようで言葉では言い表せられない

そんな綺麗さだった。


「エリー、ならずっと僕のそばに、、」


少し甘い雰囲気が漂う中

ぶち壊す声が聞こえた


「おーい!ジークの坊主!午後からだというから来てやったぞ!

カナンの腹黒ヤローに言われたからはやく来やがれ!」


その声の主は

ジェイド=ブルックナー

元がつく王国騎士団長

歴代最強と名高い騎士団長になったが

貴族の派閥や恨み妬みなど

色々な理由から疲れ、やさぐれ

酒場に入り浸り

騎士団からはみ出し者になった男だ。


「まさか剣術はジェイドが来るのか、これはゲームでは知られてなかったな」

そう言いながら席を立ち中庭に移動する。


「おう、来たな、坊主」


「まさか、ジェイドが教えてくれるとは思わなかった。これからよろしく頼む。」

そう言いながら片手を前に出す。


「んお?、カナンのせがれだというからどんな腹黒なくそガキかと思えば、

意外とマシじゃねーか」

ジェイドがぶ厚い手でジークの手を握る


「地獄の始まりだ、生きてついて来いよ。」

不穏な言葉から午後が始まるのであった。




「はぁ、はぁ、はぁ、、、」

orzの形になりながら息を切らしているジーク

この人は鬼すぎる。めちゃくちゃきついぞ。


「まぁ、初期にしては頑張っている方か」

腕を組み見下ろすジェイド。


「ほれっさっさと立て、次は試合だ。」


木刀を目の前に投げられ触ろうとする。


「剣を持ったっつーことはその時から試合だ。覚えておけ。」

ジェイドの猛攻が始まる。


ガン、ガンと木々同士がぶつかる音が響く中

ジェイドは言葉を発する。


「おい、がら空きだ。」

脇腹に木刀がぶつかる

急に息が出ていき痛みに思考が揺さぶれる


「痛みに騙されるな、思考をクリアに、そして熱烈にだ。」


体のいろいろな部分が痛いがジークは何とか食いついていた。


瞬間、ジェイドが目と鼻の先にまで近づき

「いいのか?今のまんまで、もし俺が盗賊だったら?

家族は守れるのか?大切な人は?蹂躙され殺されるのを待つだけか?」


ジェイドの言葉が胸に刺さり僕の何かが切れた


「お?!やる気になったか。いいね。いいねぇ」

剣戟が激しくなるも裁き何とか一撃を入れるため

思考をめぐらす。


一瞬体が軽くなったかのように感じ

イメージ通りのスピードと剣の振りが出来上がる。


ジェイドの脇腹めがけて木刀が当たるその瞬間。

「合格だ。誇れ。」


短い言葉と同時に衝撃が走り体が吹き飛ばされる。

僕の記憶はそこで途切れた。


隣のジーク君、地獄自衛弩大学に

合格ですってよ

あらまぁ、すごいわね。

エリートかしら??


明日2話投稿します。

12時くらいと21時くらいです。

エリスとジェイド二人の掘り下げです。

よろしくお願いします。


順位が上がると嬉しいですね!

読んでいただいた皆様、評価してくださっている皆様

フォローしてくださっている皆様

本当にありがとうございます。めちゃくちゃうれしいです。

目指せ100位以内!頑張ります。(今は1200くらい 笑)

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