第2話 姉のシカト

今から思い返してみれば、姉によくシカトされていました。


となりに住むハトコ(四歳上の男の子)と姉とよく遊ぼうとしていたのですが、


姉がとにかくハブにします。


二人で遊んでいるところを私が入ろうとすると、姉に邪魔だと言わんばかりにドン、と押され、転ばされます。私はまだ幼いので泣きます。


ハトコが毎回庇ってくれるのですが、姉は一緒に遊んでくれません。


小学三年生くらいのとき、クリスマスに、リカちゃん人形ハウスみたいなものを買ってもらいました。リカちゃん人形は別に持っていました。


姉と二人分なので、リカちゃんもリカちゃんハウスも家に二個あることになります。


けど姉は、妹とは遊ぼうとしません。


同じ部屋にいて、広げているので、私も隣で広げると「なに?」とまるでゴミムシでも見るかのような目で見てきます。


そしてこの姉、年を増すごとにシカトが尋常じゃなくなっていきます。


数年単位でシカトします。で、自分の機嫌がよくなると喋る。


機嫌が悪くなると喋らない。何年も、何年も。


スルースキルに慣れて私もうっかり人にシカトしてしまうくらい悪影響を及ぼしています。


大人になってもシカトします。


今もシカトされています。7年ほど。


ちなみに私はリカちゃんより、特撮のプラモのほうが好きな子でした。




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