第57話 蒲郡の戦い①
家長が戦の火蓋を落とすかのように、相手左翼へと攻めかかった。
それと同時に相手も俺たちに向かって攻めかかってきた。
辻堂軍は大半が東北の鍛えられた武士で構成されている。個々の力だけなら他の地方の兵を圧倒できるくらいの力は兼ね備えている。
その兵たちを斯波家長や俺といった戦略をある程度理解している将が率いており、ある程度の練兵はしているので兵数的に多少不利だとしても白兵戦なら負けることはほとんどないだろう。
相手の高師泰が率いる軍勢も鍛えられた足利の本軍なのでそんな一筋縄ではいかない。個々の力は及ばないが集団戦術というものを雑兵も理解しているのでその場に応じていろんな対応が取れる。
そして高師泰自身は東国の兵でも一騎打ちでは敵わないほどの武を持ち、また高師直が直々に仕込んだ兵術もあるためなかなか打ち崩すことができない。
戦闘開始から3刻が経ち、それぞれの状況が入ってくる。
家長率いる右翼は順調に相手左翼の兵を削り、左翼の将へと着々と接近しているとのこと。
時行率いる左翼は一進一退の攻防が続いているらしい。士気も五分五分なのでかなり膠着した戦いになりそうだ。
中央は激戦となっているが若干俺たちが押されている。高師泰自体が先陣を切って薙刀を振るっているからだ。
「平八。中央にいる予備軍を呼んでこい。」
「はっ!」
時おかずして予備軍として置いていた1500の兵隊が本陣へとやってきた。
「赤松。本陣を任せたぞ。」
「はっ!」
と赤松に指示を出し、俺は予備軍に合流した。
「待たせたな。俺たちは現在不利な状況になっている中央に混ざる。そして敵の大将である高師泰を討ち取るのだ。準備はいいか。」
『おおっ!!』
と予備軍の兵たちは雄叫びをあげた。
「よし行くぞ。突撃だ!!」
待ってろ、高師泰。
すぐに俺はお前の首を狙いに行くぞ。
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