第23話 時行氏の現状

「御免。」


と告げ、時行の隠れ家に。


一人の少年が出てくる。


「我が名は弧仁郎。貴殿の名は。」


「我が名は神西。僧として旅をしておるものだ。水を少し恵んでもらいたい。家主に会わせてくれないか。」


「いいだろう。」


弧仁郎はそう告げ、時行を呼びに行った。


「待たせてすまなかった、旅の物。」


「出迎えてくださるなんて光栄です。北条時行様。」


「なぜ我が名を。貴殿が名は。」


「失敬。吾輩、関東庇番の新人、辻堂和音だ。私は貴殿らに猛威を振るうことはない。少しだけ話させてほしい。」


「関東庇番!?まあ危害を加えないというのなら、いいだろう。弧仁郎!この者と二人で話したい。外で護衛を頼む。」


「はっ!」


さぁて、ここからが本番だ。


北条一族の力を我が配下にしてみせようぞ。

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