第9話 初の手柄、三浦時明の最期

井出の沢で2000の兵を率いて孤軍奮闘中だ。


「かかれ!狙うは三浦時明だ!!」


『おう!!!!』


乱戦になっているところに私も入る。


私は辻堂家重代秘剣「伊奘冉」を鞘から抜き、敵軍に向かって剣を振る。


人を殺すのは初めてだが、不思議と力が湧いてきて、恐怖心がなくなってきた。


ただやはり兵力差で押し込まれ、少しづつ押され始めている。


「直義様はどうなった?」


近習の平八に聞く。


「鎌倉まで退却できた頃かと。」


平八がそう言った。じゃあ我らも退却だ。


「足利軍、鎌倉へ退却だ!急げ!!」


『おお!!!』


「平八!我と250騎で三浦を討ちに行くぞ!」


「はっ!」


待ってろよ、裏切り者め。すぐに地獄まで意識を飛ばしてやる。


「あれが三浦本陣だ!本陣は手薄、かかれ〜!!!」


『おお!!!』


選抜した強力な兵たちと共に三浦本陣に攻めかかる。


標的の三浦時明を見つけた。


「三浦時明、いざ尋常に勝負なり!!」


「いいだろう、勝負だ!!」


三浦時明と僕の一騎討ちが始まる。


僕は終始伊弉諾を振り、相手の太刀を削っていく。


時明も負けずに大薙刀で対応してくる。


「はあっ!!」


そう叫んで伊弉諾を振ると、相手の太刀が折れた。


「三浦時明、その命貰い受ける!!」


そう叫び、時明の首に向かって伊弉諾を振り、時明の首が落ちた。


「裏切り者、三浦時明を大将、辻堂和音が討ち取った!!」


『おおおおおおお!!!!!』


足利軍が雄叫びを挙げた。


「退却だ!急いで鎌倉に戻るぞ!」

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